限界マンションという恐ろしい響き…一体どんなマンションなの?詳しく解説します

解体工事

「限界マンション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。その名の通り、維持管理が限界に到達してしまっているマンションのことです。原因や特徴はいくつか挙げられ、それがいつどこで起きてもおかしくないものであるため、近年はどんどん身近なものになりつつあります。

昨今は老朽化して打ち捨てられてしまった空き家の増加が社会問題化していますが、マンションは一戸建てよりも規模が大きな建物であり、住民数も多いため、限界マンションの問題もこれからさらに深刻化していく恐れがあるといえます。

今回はこの限界マンションについて、さまざまな視点から解説していきます。

限界マンションが出現する背景とは

限界マンションが問題となってきた背景には、「高齢化社会」現象が挙げられます。限界マンションになってしまう原因はいくつもありますが、それはすべて元をただせば高齢化社会に起因するものばかりなのです。

「限界集落」は、地域の人口が減って高齢化が進み、共同社会としての維持管理機能が果たせなくなってしまった集落をいいますが、限界マンションはこの縮小版ともいえるでしょう。ただし、限界集落は主に地方で見られる現象ですが、限界マンションは都市部でも起こりうる可能性がある、というよりもマンションが建つのは地方よりも都会の方が多いので、むしろ都会の問題点のひとつであると見てもいいかもしれませんね。

まずは限界マンションの特徴を見てみましょう。

将来限界マンションになりそうなマンションの特徴

一言でいえば「老朽化が進み、入居者が少なくなり、きちんとした管理がなされず、廃墟のようになっている」のが限界マンションです。

では、近い将来限界マンションになってしまいそうなマンションには、どのような特徴があるのでしょうか。

老朽化が進んでいる

築年数が30年を超えているようなマンションは、まず要注意です。ただし、この年数を超えているマンションが必ず限界マンションになるということではありません。古くても維持管理が行き届いていれば限界マンションとはなりませんし、逆に築30年を超えていなくても管理体制に問題があれば限界マンション化していく可能性はあるのです。メンテナンス次第では、建物としての寿命を延ばすことはできるということです。

そのため、明確な定義として「築〇年を超えたら限界マンション」というものはありません。東京都内では、築50年を超えていてもまだまだ大人気というマンションもあるほどです。

入居者数が少ない

空室が目立つマンションも要注意です。入居者が出て行ってしまう、新たな入居者がなかなか入らないというのは、何らかの問題を抱えているといえるからです。

管理組合が機能しておらず修繕が十分でない

築年数が進んでいるにもかかわらず、修繕がきちんとなされていないということは、管理体制がしっかりしていないということを表しています。修繕が適切に行わなければ、劣化はさらに進んでしまう一方です。

立地条件が悪い

マンションというのは利便性が重視されることが多く、そもそも立地条件が良くないマンションというのは人気がないものです。そうするとやはり入居者数の減少につながってしまいます。

実は限界マンションになる要因としては、築年数よりも「立地」の方が遥かに大きいとされています。立地が良ければ人気を維持できるため、入居者数が減ることもなく、管理費や修繕積立費の確保が十分となることで、そもそも劣化を最小限に抑えて建物の寿命を延ばしていくことができるからです。

相場よりも安い価格で賃貸に出されている

こちらも入居者数の低迷と密接な関係があります。入居者数を増やすため、周辺の相場よりも安い価格に設定されている可能性が高いからです。

限界マンションになってしまう原因と過程

マンションが限界マンションとなってしまう原因は、まさに前述した「限界マンションの特徴」ひとつひとつの「悪循環」です。

始まりは、やはり築年数が進むことによる経年劣化ですが、その先どのような過程で限界マンション化していくのでしょうか。

マンションの老朽化により劣化が始まる

どんなものでも、年数が経つと劣化していくものです。住居ももちろんのことで、こまめに修繕を行わなければどんなに立派な建物でも年月とともに老朽化していきます。

たとえば、外壁にヒビが入ったり塗装が剥がれたりしてくると、雨漏りなどの原因になり、内部にも影響が出てきます。

ここできちんと定期的に修繕が行われれば、前述したように寿命を延ばすことはできるものの、それを怠ると見た目にも機能的にもどんどん悪化していってしまうのです。

住人が減少する

マンションの劣化が際立ってくると、住みづらさを感じる住人が出始め、別の住居に住み替えを考えて入居者が減っていきます。

築年数がかなり経っているマンションであれば、入居者に高齢者が占める割合も高いことが多く、その人たちが亡くなることでも入居者数は減少していきます。

また、老朽化が進むと単純に見た目も悪くなるため、新しい入居者も入らなくなっていくでしょう。

マンションの管理体制が悪化する

入居者数が減少すると、管理費用や修繕積立費の回収が計画通りにいかなくなっていきます。本来必要である分の資金が確保できなくなると、管理体制が悪化し、定期的な修繕も行えなくなります。そうすると、さらに建物の劣化は進み、入居者数が減り…という負のスパイラルに陥り始めることになるのです。

入居者のマナーやモラルの低下

入居者数を何とか増やそうと、相場よりも安い家賃や売却価格に設定されるようになると、住人の質が低下してくることにつながります。住人ひとりひとりのマナーやモラルが低ければ、建物の維持管理に無関心であることも多く、さらに劣化と管理体制の悪化に拍車がかかってしまいます。

スラム化していく

ここまで来ると、残った入居者は低所得者や高齢者ばかり、という状態になることがほとんどです。外見はボロボロで廃墟同然、内部は荒れ果て、管理が行き届いていないため空き部屋に不審者が棲みつき、スラム化していきます。

建て替えが進まない

この段階に至るまでに「建て替える」という手段がないわけではありません。

しかし、マンションを新しく建て替えるためには「住人の5分の4以上の合意」を得なければならないのです。建て替えるということは、仮住まいへの引越し費用などが必要になるうえ、そもそもの建て替え費用自体も住人の負担となることがあります。これが、一般的には一戸あたり1,000万円程度といわれています。

ということは、その費用を負担できる住人が5分の4以上いなければならないということです。けれど残っている入居者は低所得層や高齢者ばかり…。このような状態では、建て替えという手段は非常にハードルが高いといえるのがわかります。

最後は解体される

資産価値がゼロ同然になってしまった限界マンションは、最終的には解体されるという道しかなくなります。廃墟になってしまうと倒壊の恐れもあり、周囲に危険を及ぼすことも考えられるため、公費を投入しての解体となりますが、公費も無限にあるわけではないので、危険度の高いものから優先的に解体されていくことになります。

限界マンションにしないための対策はあるのか

マンションの維持管理は、入居者個人だけではどうすることもできませんが、入居者ひとりひとりが関心と責任を持つことで大きな力となり、健全なマンションを保つことができるはずです。そのためには何ができるでしょうか。

マンションの管理組合は、入居者で構成されています。組合が中心となって、早い段階からマンションの将来像を話し合って共有し、大規模修繕や建て替えも含めて計画しておくとよいでしょう。

まずは入居者全員が当事者意識を持つことが重要です。

まとめ

近年一気に数が増えたタワーマンションも、将来的には限界マンション化の危機が考えられます。高層であるため大規模修繕が難しいこと、費用が高額になること、大規模修繕の工法がまだ確立されていないこと、戸数が多いため入居者の意思をそろえるのがさらに難しいこと、などが考えられるからです。

すでに他人事ではなくなりつつある限界マンション問題、ひとりひとりが当事者意識を持ち、限界マンション化の予防に努めることはもちろん大切ですが、場合によっては自分のマンションがこうなってしまう前に、売却してしまうというのもひとつの方法です。

根本的な解決手段にはなっていませんが、限界マンションになってしまうと買い手を見つけること自体が困難になってしまいます。現状をよく見て、予防が難しいのであれば次の手段を考えておくことも、残念ながら必要といえるでしょう。

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