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東京都が抱える解体工事事情
2000年5月に制定された「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」、いわゆる「建設リサイクル法」によって、土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可を持たずに、解体工事をする場合は解体工事業の登録をしなければいけないと決められました。
また、東京都では「木密地域不燃化10年プロジェクト」の推進によって、老朽した建築物や戸建ての解体費用の一部を助成する制度があります。このような状況から、東京都では今後も登録解体工事業者の仕事が急減することはないでしょう。
出典:建設リサイクル法の概要
東京都の営業所から工事を請ける範囲圏内の目安
解体工事費用を安くするための条件として、解体予定物件と工事会社の営業所との距離があります。解体工事費用の重要な要素として輸送費があるため、両者の距離が近ければ、その輸送費が抑えられるからです。
そのため、解体工事の依頼主は物理的に近い業者を選ぶことが多くなり、逆に解体工事業者も東京都では一般的に営業所から15~20km圏内を目安として、工事依頼を請けやすい傾向にあります。
しかし、両者の距離だけで依頼を断られることはないため、他県の業者に依頼することも可能です。
東京都の解体工事単価の相場データ3つ
解体工事費用は、建物本体の解体費用・廃棄物処分費・諸経費・業者の利益などで構成されます。そして、この費用は解体工事業者や建築物の構造、立地条件、地域性などによって大きく差がつきます。
これらを踏まえて、東京都における解体工事坪単価の相場に関するデータを見ていきましょう。
1:時系列別から見る推移
建物本体の解体工事坪単価(総額坪単価)は、2014年で約3.4万円(4.8万円)、2016年で約2.9万円(4.5万円)、2018年で約3.6万円(5.1万円)、2020年で約4.3万円(5.4万円)と推移しています。
近年は、建物本体の解体工事費用だけでなく、リサイクル費用の値上がりによって廃棄物処分費用も増加しています。
2:市町村別の単価相場
先にも述べたとおり、解体工事の坪単価は地域差が大きいため、相場を確認する場合は、同一エリアで比較することをおすすめします。
なお、東京都内で本体解体工事(総額)の坪単価が高いのは、新宿区約3.8万円(5.7万円)、千代田区約3.3万円(5.7万円)、北区約3.9万円(5.5万円)です。
一方、坪単価が安いのは、西多摩郡奥多摩町約2.6万円(3.3万円)、所沢市約3.3万円(3.7万円)、武蔵村山市約2.3万円(3.8万円)などです。
3:構造別の単価相場
解体工事費用は、建造物が木造より鉄骨、鉄骨より鉄筋コンクリート造りのほうが高くなります。また、建造物の延床面積が大きいほど、解体工事費用の坪単価は割安になります。
例えば、延床面積30坪台の解体工事費用の坪単価は、木造で約3.6万円、鉄骨で約4.6万円、鉄筋コンクリートで約8.5万円です。これが60坪台になると、それぞれ約3.2万円、約4.3万円 、約5.9万円となります。
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東京都の解体工事会社の探し方
解体工事業者を探すためには、まず情報収集をしましょう。ハウスメーカーや近隣の工務店などに相談する例も多いでしょうが、最近ではインターネットで多くの解体業者から適した業者を探してくれるサイトもあるので、そちらを利用するのも良いでしょう。
ハウスメーカーや工務店に依頼すると楽で安心ですが、中間マージンが発生します。費用を抑えるために自分で業者を探す際は、ホームページなどでこれまでの解体工事実績や取得している許可、所持している設備などを確認しましょう。
解体業や廃棄物運搬・処理業は、近隣への配慮やクレーム対応、廃棄物の不法投棄などで、トラブルが発生する要素が多いため、安心して任せられる業者を慎重に探しましょう。
同時に、複数の業者から相見積もりをとることも重要です。東京都内の工事でも場所によっては、隣接する神奈川県・千葉県・埼玉県などの業者の方が安くなる場合もあります。都内に限らず、広い視野で比較しましょう。
東京都のおすすめの解体工事会社を比較しよう
近年、解体工事費用の相場は大きな変化がないものの、建設リサイクル法などの法令によって、廃棄物の処理方法は厳しくなっています。解体工事業者を選定する際は、廃棄物の最終処理について確認しましょう。
また、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。その際、金額だけでなく、対応の仕方を確認することも重要です。
東京都内および近隣県には、多くの解体工事業者があるので、トラブルを防ぐために、しっかりと比較検討しましょう。
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