「媒介契約」とはどんなもの?売買契約との違いや細かい内容を徹底解説 

解体工事

不動産を売る・貸すといったときに、不動産会社と結ぶ「媒介契約」。あまり聞くこともなく、「売買契約」とは言葉の響きが似てはいても別のものであるため、少々まぎらわしいですよね。

不動産の売主・買主の仲介をする不動産会社を間に挟む以上、たしかに「不動産を売る・買う」という契約の他に「不動産を売る・買うための仲介をする」という契約もまたそこに存在します。要はこれが媒介契約です。

今回はこの媒介契約について、詳しい内容と媒介契約書という書類の記載事項・注意点を徹底的に見ていきます。

媒介契約とは

媒介契約とは何か

所有する不動産を売ろう、もしくは貸そうと思ったときに、個人ではなかなか買主(借主)を見つけることは難しいため、まず不動産会社に仲介を依頼することになります。不動産会社は不動産の所有者から依頼を受けて買主(借主)を探すわけです。

このとき、不動産の所有者と不動産会社が結ぶ契約を「媒介契約」といいます。

つまり「媒介」は「仲介」と言い換えることもできます。売主(貸主)と買主(借主)を仲立ちする、という意味ですね。

宅地建物取引業法においては、不動産の売買や交換の媒介契約時には、媒介契約書を発行しなければならないことが定められています。媒介契約書には、どのような条件で物件の売却活動を行うのか、成約した際の報酬金額はどのようにするのか、などといった内容が記載されます。

媒介契約には、不動産所有者と不動産会社の間の依頼関係を明確化させるという役割があり、これによって仲介業務に関するトラブルを未然に防ぐことができるのです。

媒介契約と売買契約の違い

不動産会社が不動産の所有者から依頼を受けて買主との仲介を行い、晴れて買主が見つかると、その後所有者(売主)と買主の間で「売ります」「買います」の契約を交わします。これが「売買契約」です。

つまり、不動産の所有者(売主)と不動産会社との間で取り交わされるのが「媒介契約」、売主と買主との間で取り交わされるのが「売買契約」ということです。言葉の響きは似ていますが、両者にはこのような違いがあります。

媒介契約には3種類ある

媒介契約には「一般媒介契約」、「専任媒介契約」、「専属専任媒介契約」の3種類があり、以下の5点において違いを持ちます。

1.複数の不動産会社に依頼できるのかどうかの可否

2.不動産所有者自らで見つけてきた買主と売買契約を結べるかの可否

3.契約期間の長さ

4.指定流通機構(レインズ)への登録義務の有無

5.販売状況報告の頻度

各契約方法を順に説明していきますが、上記5点の条件において「一般媒介契約→専任媒介契約→専属専任媒介契約」の順に制限が厳しくなっていくため、もっとも厳しい専属選任媒介契約から詳しく見てみましょう。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約では、まず不動産所有者が媒介契約を結べる不動産会社は一社のみです。加えて、もしも所有者自身が自分で買主を探して見つけてきた場合、それが親戚や知り合いなどであっても、不動産会社を通して契約しなければならないと義務付けられています。

契約期間は最長3か月(更新可能)です。レインズ(不動産流通機構)には、媒介契約締結の翌日から5日以内に登録しなければいけません。また、媒介契約を交わした不動産会社は、7日に1回以上の割合で販売状況の報告義務が課せられています。

メリットは、契約を結んだ不動産会社でしか仲介を頼めないため、会社側としては仲介手数料が確保できるので、広告を打つなど積極的に売却活動をしてくれる点がまず挙げられます。また、報告頻度が7日に1回以上と高いので、依頼主としては販売状況を把握しやすく安心感もあるでしょう。

デメリットとしては、一社のみにまかされるため、売却できるかどうか、早くに売れるのかどうか、いくらで売れるか、といったことはすべてそのまかされた業者の力量次第となる点でしょう。業者選びが非常に重要になるといえます。

また、購入希望者を自分で見つけても売買契約を結べない点もデメリットといえばデメリットでしょう。

専任媒介契約

一社のみとしか媒介契約を結べない、契約期間は最長3か月(更新可能)、という点は専属専任媒介契約と同様です。

異なるのは、まず自分で購入希望者を見つけた場合、不動産会社に関係なく売買契約を結べる点です。専属専任媒介契約に比べて制限が少し緩くなっていますね。

また、レインズに登録しなければいけないのは媒介契約締結の翌日から7日以内、販売状況の報告は14日に1回以上となっています。

メリットは、専属専任媒介契約と同様に媒介契約を交わせるのが一社だけとなるため、比較的売却活動を積極的にしてもらえることが期待できる点でしょう。販売状況の報告も、専属専任媒介契約に比べて14日に1回以上と頻度は下がりますが、きちんとしてもらえるため、安心材料となります。

デメリットはやはり一社としか媒介契約を結べず自由度が低い点ですが、そこは専属専任媒介契約と同じであるため、もし自分で購入希望者を探して見つけられる環境にないのであれば、専任媒介契約ではなく専属専任媒介契約を選ぶべきともいえるでしょう。

一般媒介契約

もっとも制限が緩い一般媒介契約では、まず専属専任媒介契約・専任媒介契約と異なり、複数社と媒介契約を結ぶことができます。

さらに、依頼主は自分で購入者を見つけてきて売買契約を結ぶことも自由なので、不動産会社にまかせっきりにせずに自ら売却活動を比較的自由に行うことも可能です。

レインズへの登録義務や、依頼主への販売状況の報告義務もありません。

契約期間も最長でここまで、という決まりはなく、双方で決めることになりますが、国土交通省の定める標準媒介契約約款では3カ月以内が一般的とされているため、それに従って3か月とする(更新可能)場合が多くなっています。

一般媒介契約の最大のメリットは、いっぺんに複数の不動産会社と媒介契約を結べる点にあるでしょう。一社のみの契約の場合と異なり、ライバルがいる状態になるため、仲介手数料発生のために売却活動がさかんになる可能性が高くなります。

しかし逆に、「競争してでもなんとかして売りたい」と思わせるような条件がない限りは、積極的な売却活動にはつながらないこともあるので、この場合は複数会社との媒介契約が可能という点に関してはデメリットにしかならなくなってしまうでしょう。

また、一般媒介契約には、「明示型」「非明示型」の2種類があり、どちらかを選択することができます。

「明示型」…複数の不動産会社媒介契約を交わしているのかどうか、交わしているとしたらどこの会社に依頼しているのか、ということを公表します。

「非明示型」…上記のことを公表しません。

どの契約を選ぶべきなのか?

媒介契約には上記のように3種類ありますが、ではどういった場合にどの契約を選んだらいいのでしょうか。判断基準を考えてみましょう。

不動産会社は専属専任契約・専任契約をすすめる傾向にある

まず、不動産会社は一般的に専属専任・専任契約をすすめてくる傾向にあります。それは、不動産会社にとっては仲介手数料という報酬が発生するのは売買契約が成約したのちであるため、一般媒介契約では他の不動産会社に先を越されて仲介手数料を得られない、ということが起こりうるからです。

もちろんそれぞれの契約方法には前述したようなメリットやデメリットが存在しますし、契約方法は依頼主が決められますので、内容を吟味して自分に合ったものを選ぶようにするといいでしょう。

売却を急ぐ・「買取」を利用したい人は専属専任・専任契約を選ぼう

何らかの理由で売却を急ぐのであれば、専属専任契約や専任契約を選ぶことをおすすめします。前述したメリットにあるように、仲介手数料を得るために売却活動を積極的に行ってくれる可能性が高いため、一般媒介契約よりも早めに売却ができる可能性が高いからです。

また、もし契約期間内に売却ができない場合も、「買取」特典がある不動産会社を選んでおけば、買取によって売却することも可能です。

買取とは、本来不動産会社は「買主を仲介してくれる」ところを、「直接買い取ってくれる」というやり方です。こちらにもメリット・デメリットはありますが、とにかく急いでいる場合には有効に働くといえるでしょう。

すぐ売れそうな物件・売却を秘密にしたい物件は一般媒介契約

人気エリアにあるなどで売却がスムーズにいきそうな場合は、一般媒介契約でもいいでしょう。レインズへの登録義務はありませんが、それでも購入希望者は多く集まることが期待できます。

また、レインズに登録しないことで、近所に売却するつもりであることを知られないで済むというメリットもあります。もしも売却する意思を外に出さないでおきたい事情があるときは、この点も利点に働くでしょう。

媒介報酬(仲介手数料)について

媒介報酬発生の3つの要件

媒介契約を結んだら、依頼主は不動産会社にすぐに仲介手数料を支払わないといけないかというと、そういうわけではありません。仲介手数料発生のためには要件があり、以下に挙げる3つがそれにあたります。

不動産会社と依頼者との間で媒介契約が成立していること

媒介契約を結んだ場合、不動産会社はすぐに媒介契約書という書類を発行しなければいけない義務があります。そのため「媒介契約が成立している」というのは、つまり媒介契約書が取り交わされているという状態であるといえるでしょう。

その契約に基づき不動産会社が行う媒介行為が存在すること

これは、不動産会社が物件を売却するための営業活動を実際に行っていることをいいます。具体的には、現地案内や売主・買主に対する説明を行うなどといったことです。

その媒介行為により売買契約などが有効に成立すること

売買契約が有効に成り立った時点で、仲介手数料がようやく発生するという点も重要です。要するに仲介手数料は「成功報酬」に近い形式である、ということなのです。

媒介契約を交わしただけでは、依頼主は仲介手数料を支払う必要がなく、着手金や前金といったものも発生しません。

媒介報酬の限度額

不動産会社が受け取れる媒介報酬は、金額の上限が決められています。

その上限額は取引額に応じて計算式が変わり、たとえば取引額が200万円以下であれば仲介手数料は取引額の5%、200万円超から400万円以下であれば取引額の4%+2万円、400万円超であれば取引額の3%+6万円、となっています。

媒介報酬の支払いタイミング

前述したように、媒介報酬が発生するには3つの要件があり、売買契約が成立した時点でその3つの要件は満たされることになります。そのため、本来であれば売買契約成立時に媒介報酬全額を支払うべきなのですが、不動産会社の仕事は「引渡し」まで続きます。だから媒介報酬については、「半分を売買契約成立時、残り半分を引渡し時」に支払うことが一般的となっています。

媒介報酬の返金可不可

前述したように、仲介手数料の半額は売買契約が成立してから不動産会社に支払うことになりますが、それから引渡しまでの間にもし契約解除ということになったら、この半額分は依頼主に戻ってくるのでしょうか。

結論からいうと、「契約解除の理由によって戻ってくる場合とそうでない場合がある」といえます。

戻ってくる場合の代表的なものは「ローン特約による契約解除」のときです。これは「買主が住宅ローンの審査に通らなくて契約を解除せざるを得なくなった」ということです。この場合は、すでに支払っていた媒介報酬は全額戻ってきます。

戻ってこないケースは、「売買当事者の一方的な都合による手付解除」「売買当事者の契約違反による解除」「当事者による合意解除」というときです。これらの場合は不動産会社には落ち度がないため、媒介報酬は依頼主には戻ってきません。

媒介契約書

媒介契約の際に取り交わす媒介契約書には、さまざまな事項が書かれていて、どこに注意しておいたらいいかというポイントはなかなか知られていないものです。

そのため主な記載事項やチェックポイントをおさえておくといいでしょう。

媒介契約書の記載事項

媒介契約書には、一般的に以下のようなことが記載されています。

・物件情報

・売買価額または評価額

・媒介契約の種類(一般・専任・専属のどれか)

・契約有効期間

・レインズへの登録の有無

・成約に向けての義務

・報酬について(支払い時期など)

・違反に対する措置(違約金など)

・標準媒介契約約款に基づくか否か

など

これまでお話してきた内容が、きちんと契約書という形で文面にされるということがわかりますね。

契約の種類には3種類あり、一般媒介契約であればさらにその中に「明示型」「非明示型」の別もあります。自分の希望に合ったものになっているのかどうか、口頭で確認してきた内容もすべて契約書に記載されているかということを、しっかり文面でチェックしておきましょう。

不動産会社の義務、依頼者の義務の事項についても、双方の認識が一致していることを確認します。契約書として存在していれば、のちのちのトラブルはほぼ防ぐことができます。

媒介契約書を交わす際の注意点

実は、売主と不動産会社の間で媒介契約の意思が合致していれば、媒介契約書取り交わす(=文書として残す)ことは必ずしも求められず、契約は成立していたとみなされます。

しかし、前述したように契約書という文書にきちんと残しておくことで、認識の相違などのちのちのトラブルを防げるため、必ず媒介契約書は交わしておきましょう。

ちなみに、媒介契約書には印紙を貼る必要はありません。

まとめ

不動産の売主と買主の間で交わすのが「売買契約」であり、売主と不動産会社の間で交わすのが「媒介契約」です。

媒介契約には3種類あり、自分の状況や意思によってそれぞれに感じられるメリット・デメリットが存在するため、内容をよく把握して自分に合うものを選択することが大事です。

決めたことを形として残すために、媒介契約書は必ず作成するようにしましょう。

どんな契約形態を選ぶにしても、すべてを不動産会社の言う通りに進める必要はありません。専門家のアドバイスはきちんと受けつつ、依頼主としても知識はしっかり得ておきましょう。

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