解体工事に関わる外国人労働者とは?建設就労者と技能実習生の違いも解説

解体工事

近年では労働者不足問題や日本政府の方針で、特定の仕事で外国人労働者が増加しています。

しかし外国人労働者の事件が報じられていることもあり、外国人労働者が怖いと思う人もいるでしょう。

今回はどういった方たちが外国人労働者として働けるのかを解説します。どういった方が外国人労働者として働いているかを知れば、外国人労働者への不安も安らぐと思います。

「外国人技能実習生」についても触れますので、参考にしてください。

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解体業で活躍する外国人建設就労者とは

日本国内で外国人の方が仕事をする場合には、在留資格というものが必要です。

出入国管理及び難民認定法(入管法)において、全29種類の在留資格が決められています。入管法によって就労の可否や活動内容は細かく定められているのです。

では建設業界や解体工事で働く外国人の方は、どういった在留資格を持っているのでしょうか。

 永住権を持つ人

永住権とは、外国人の方が日本国内で永続的に生活することを認めた権利です。

法務大臣によって永住権が認められた方を「永住者」といい、日本の在留期間は無制限でどのような仕事にも就くことができます。

永住権を得るためには10年以上日本に在留し、そのうち5年間は就労資格や居住資格を持っていることが原則です。

しかし、例外として日本人または永住者との婚姻生活が3年以上ある場合、在留期間1年で永住権を持つことができます。

在留資格として「特定技能」を持つ人

特定技能とは2019年4月から導入された在留資格です。

少子高齢化といった問題から人手不足に陥っている14の業種で、外国人の就労を認めるために新たに設立されました。

14種類の業種のことを特定産業分野といい、建設業もその中にふくまれています。業種により働ける職種が決められているため、他の業種の仕事に就くことはできません。

特定産業分野はさらに職種が細かく定められています。建設業の場合は左官・トンネル推進工・土木・配管といった18職種です。

18職種の中に2021年時点では解体業は存在しませんが、18種目のなかに「とび」があります。解体工事で足場が必要な現場では、とび職として働いている外国人労働者を見ることがあるかもしれません。

日本国籍に帰化した人

こちらは厳密に言えば外国人労働者ではありませんが、日本人国籍を取得して日本人として働いている労働者もいます。

上記で紹介した永住者との違いは、日本国籍が得られることや参政権の有無です。

日本で永続的に生活するためだけなら永住者資格で十分であり、解体業者で働くために日本の国籍を取得をする必要はありません。

そのため、日本の国籍を取得をするということは、日本に骨をうずめる覚悟の現れともいえます。

技能実習生について

外国人労働者が日本で働くための在留資格として、永住権・特定技能を紹介しました。

ほかの在留資格として「技能実習生」というものがあります。名前の通り労働力の確保といった形ではなく、技術や技能の習得を目的とした制度です。

技能実習生も特定技能と同じく受け入れが可能な職種が決められており、その中に解体業の名前はありません。

そのため、とび職や型枠解体工といった職種で受け入れている解体業者が多いです。

現在の「技能実習制度」について

技能実習制度は以前から、最低賃金以下の報酬で労働させられているといった問題が指摘されていました。
これは現在の技能実習制度の前身となる「外国人研修・技能実習制度」時代に、研修と称して労働させていたことが原因なのです。

そのため、法改正された技能実制度では、受け入れた外国人の方に違法行為が及ばないための体制が強化されています。
その一環として「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(技能実習法)が制定されました。

これは外国人実習生を保護するための法律で、管理団体や禁止行為などが定められています。

現在「外国人実習生が安価な労働力として使われない」ための体制が整えられ、以前のような悪質な業者は減りつつあると言えます。

どうして外国人労働者を怖いと思ってしまうのか

これまで、外国人労働者がどういった在留資格をもって解体業者で働いているかを紹介しました。

入管法や技能実習法によって、現在では身分や技能が明確な外国人労働者が働いていることがわかりました。

それでも外国人労働者を怖いと思ったり不安に感じてしまうのはどうしてでしょうか。

コミュニケーションがうまく取れない

恐らく最も外国人労働者を怖いと思ってしまう理由は、言葉の問題などでコミュニケーションが取れないからだと思われます。

特定技能資格者に関して言えば、日本語能力の試験をパスしているので問題はありません。

日本人と婚姻を結んだ永住者や、技能実習生は日本に来て日が浅いため日本語に不慣れな場合が多いです。

もし解体業者の従業員に外国人労働者がいた場合は、営業担当者にどの程度の日本語能力があるか聞いてみるのもいいでしょう。

もし日本語が不確かな外国人労働者であったとしても、一人で作業せずに日本人の方がついてサポートしてくれます。

人種や文化の違いからくる勤務態度

また人種や文化の違いからくる仕事への姿勢の違いによって、トラブルが発生してしまう可能性があることも挙げられます。

日本人でも仕事に対する取り組み方はひとそれぞれです。しかし外国人労働者はまだまだ数が少ないために、どうしても個性的な面が目立ってしまうのです。

また人種や育ってきた環境の違いから、大事にしている信条や考え方も日本人と異なっている場合があります。

母国の風習と違う部分を、無理やり守らせることは強いストレスを与えてしまうことになるでしょう。

日本人にとって当たり前の行動や考え方が、外国人労働者にとっては当たり前ではないということです。

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外国人労働者の問題は解体業者に問題がある場合が多い

外国人労働者が怖いと思う理由について、コミュニケーションと勤務態度を挙げました。

確かに言葉や仕事に対する姿勢というものも大事です。しかし、仕事内容に関していえば、外国人労働者達も日本人労働者も労働の内容では変わらないといえます。

特に解体工事はそこまで難しい日本語を求められず、体力勝負な部分もあるため日本人と同等に働ける仕事です。

そのため外国人労働者が現場にいる解体工事で問題が起きる場合は、外国人労働者ではなく解体業者に問題がある場合が多いと言えます。

悪質な労働環境で外国人労働者が不当に扱われてしまう

悪質な解体業者では、建築業で働くための在留資格がなかったり不法在留をしている外国人を雇っている場合があります。

この場合は人件費を削減する目的で行われて入る場合が多く、解体工事のクオリティなど期待できるものではないでしょう。

悪質な業者であれば、外国人労働者へのサポートも期待はできないと思われます。勤務態度の教育も適当で、まともな指導が行われず放置されている場合もあります。

また、外国人労働者はいじめやパワハラの標的にもなりやすく、日本人従業員のストレス発散に使われてしまうことも多々あります。

外国人労働者が問題視される背景には、こういった違法行為を行う解体業者の存在があるのです。

しかし一般の解体業者は、上記で説明した在留資格をもった外国人労働者を雇用しています。安全教育や研修などを実地した上で、日本人の作業員がサポートして解体工事を行っているのです。

技能実習生に関しても、制度改革によって違法就労をさせている業者を取り締まっています。その結果、以前からニュースで報道されるような悪質な解体業者は確実に減少しているのです。

外国人労働者は怖い人たちばかりではない!人種ではなく解体業者で判断するべき

解体業者で働く多くの外国人労働者たちは永住権を得て働いていたり、技能実習生として現場で働きながら技能を習得しています。

また外国人労働者を怖いと思ってしまう理由が、コミュニケーションや勤務態度といった部分から来ることも紹介しました。

外国人労働者が日本人と違う部分があることは事実であり、どうしても不安をぬぐえない方もいると思います。この場合に大事なのは、解体業者が外国人労働者をしっかりサポートしているかという部分です。

現在は外国人労働者が働く解体業者は少なくありません。もし外国人労働者がいるか気になった場合は、見積時に確認を取るようにしましょう。

優良な解体業者であれば、どんな外国人が働いているか説明してもらえるはずです。

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