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特定空き家って何?
特定空き家とは、国土交通省が示している基本指針である「倒壊などの著しく保安上危険となる恐れがある状態」「著しく衛生上有害となる恐れがある状態」「著しく景観を損なっている状態」「放置することが不適切である状態」の4項目のいずれかに該当する空き家のことです。
また空き家と判断する基準としては、水道やガス、電気などを1年以上使用していない、1年以上人の出入りがないといった要素を考慮して判断されます。
特定空き家に指定される不動産の4つの状態
特定空き家は、空き家対策特別措置法において判断されるものです。それでは、具体的にどのような状態の空き家のことを特定空き家と呼ぶのでしょうか。
ここでは、特定空き家に指定される不動産の4つの状態を紹介していきますので、参考にしてみてください。
出典:空家等対策の推進に関する特別措置法(平成 26 年法律第 127 号)の概要 | 国土交通省
1:衛生上で有害となるおそれがある
そのまま放置すれば衛生上で著しく有害となるおそれがある空き家は、特定空き家に指定されるケースがあります。
衛生上有害となるかどうかを判断する条件としては、主に建物や設備の破損が原因であるケース、もしくはごみなどの放置や不法投棄が原因であるケースの2つがあります。
たとえばアスベストが飛散し暴露する可能性が高い状態や、浄化槽の破損によって汚物が流出している状態、ごみが放置され臭気や害虫が発生している状態などが該当します。
2:倒壊などの保安上の危険がある
倒壊など保安上危険となるおそれがある空き家は、特定空き家に指定されるケースがあります。保安上危険となるかどうかを判断する条件としては、建物が倒壊する恐れがあるケース、屋根や外壁が脱落する恐れがあるケース、擁壁が老朽化し危険となるケースなどが挙げられます。
このような状態を判断するには、基礎部分に不同沈下があり、建築物が傾いているかどうかなどを見て総合的に判断されます。
3:周辺住民の生活環境を妨げている
さまざまな要因によって周辺の生活環境の保全を守るために放置することが不適切な空き家は、特定空き家に指定されるケースがあります。
たとえば立木の倒壊や枝折れによって枝が敷地外に散乱していたり、建物に動物が住み着いたことで鳴き声や糞尿などの被害が発生していたりして、近隣住民の生活に悪影響を及ぼしている場合が該当します。
他にも、建物が適切に管理されていないことで不審者が侵入したり、屋根からの落雪で通行が妨げられていたりする場合などが例として挙げられます。
4:景観計画やルールに適していない
既存の景観計画やルールに著しく適合していない空き家は、特定空き家に指定されるケースがあります。これは、景観法にもとづいて景観計画を策定している場合、空き家が形態意匠などの制限に適合していない場合が該当します。
他にも、適切な管理が行われないことによって外壁の落書きが放置されていたり、窓ガラスが割れたままになっていたりする場合などが例として挙げられます。
特定空き家に指定された際の措置とは?
特定空き家に指定された場合、倒壊の危険や不法投棄などの問題があることから、空き家の所有者に対して対応が求められます。ここでは、特定空き家に指定された際の措置についてそれぞれ解説します。
出典:「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン) | 国土交通省
自治体からの指導・勧告
自治体から所有者に対して、特定空き家に対して修繕などの措置を行うように助言、指導、勧告、命令が行われます。
命令に対して所有者が従わない場合は、50万円以下の過料が発生します。さらに、命令を受けても改善が見られない場合、行政代執行の方法によって強制執行が行われ、建物が解体されるケースもあります。
出典:「特定空家等に対する措置」に関する適切な実施を図るために必要な指針(ガイドライン) | 国土交通省
固定資産税への影響
特定空き家に指定されて自治体から勧告を受けると、固定資産税の優遇措置が適用されなくなります。「住宅用地の特例措置」の対象ではなくなるため、固定資産税は更地の場合と同じように最大6倍にまで膨れ上がる可能性があります。
出典:特定空家に係る罰則とは? | NPO法人空家・空地管理センター
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特定空き家の解体が強制執行された事例
これまでに特定空き家に指定された空き家が、行政代執行によって解体された事例は多くあります。たとえば神奈川県横須賀市の事例では、木造戸建て解体費用として約150万円、北海道室蘭市の事例では約800万円の費用がかかっています。
出典:行政代執行が行われた事例 | NPO法人空家・空地管理センター
特定空き家の指定を取り消すには?
特定空き家に指定されたとしても、その要因となった不適切な部分を改善することで特定空き家の指定を取り消してもらうことが可能です。
たとえば立木や雑草などが近隣にまで悪影響を与えている場合は、伐採して適切な状態にすることで特定空き家から解除してもらえる可能性があります。
特定空き家に指定されない為の対策3つ
特定空き家に指定されるのは空き家が管理されていないことが原因となるため、適切に対処すれば特定空き家に指定されることはありません。最後に、特定空き家に指定されないための対策を紹介していきます。
1:空き家を賃貸にして運用する
賃貸物件のニーズがあるエリアであれば、空き家を賃貸に転用して運用するのがおすすめです。特に戸建ての賃貸は供給が少ないため、郊外であっても入居者が見つかるケースがあります。
無事に入居者が見つかれば、家賃収入によって管理費用も賄えるでしょう。
2:空き家を売り払う
運用するのが難しい場合は空き家を売却してしまうのが効率的です。ニーズがないと思われるような物件であっても、不動産一括査定サービスなどを利用すれば値段がつく可能性もあります。
3:空き家を清潔に保つ
賃貸物件への転用や売却をせず所有したままにする場合は、適切に管理して清潔な状態に保つようにしましょう。清潔に保つことで、将来的に空き家で生活することも可能になります。
自身で管理できないという場合は、庭木の手入れや清掃などを行ってくれる空き家巡回サービスなどを利用するのがおすすめです。
特定空き家の定義について理解し適切に対処しよう
管理ができていない空き家は特定空き家に指定されるリスクがあります。
ぜひ本記事で紹介した、特定空き家に指定される不動産の状態や特定空き家に指定された際の措置、特定空き家に指定されないための対策などを参考に、空き家を適切に管理して特定空き家に指定されないよう気を付けましょう。
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