家の敷地に植わっている植木の処分方法はいくつかあり、業者に処分を依頼する方法のほか、自分で植木を伐採してゴミとして出す方法などもあります。方法によっては処分費用をおさえることができます。
この記事では、主な植木の処分方法をご紹介します。業者に植木の処分を依頼する場合にかかる費用や、。植木を処分する際の注意点、植木を伐採しないと起こるトラブルについてもご紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
植木を処分する方法7選
植木の処分方法はいくつかあり、業者に処分を依頼する方法のほか、自分で植木を伐採してゴミとして出す方法などもあり、方法によっては処分費用をおさえることができます。ここでは主な植木の処分方法をご紹介します。
処分方法①可燃ゴミとして出す
木は燃えるゴミとして扱われるので、可燃ゴミとして出すことが可能です。しかし、植木をそのまま可燃ゴミとして出すことはできません。各自治体によって出し方にルールがあるので、可燃ゴミ用の袋に入れる、作業員が扱いやすいようにまとめて紐で縛るなど、各自治体によって定められているルールに沿って出す必要があります。ルールは自治体によって異なるので必ず確認しましょう。
また、大量の植木を一度に出すのは、ルール違反になることもあります。一度に出せる量に制限があるかもしれないので、必ず確認してください。
処分方法②自治体に依頼する
自治体によっては、植木を粗大ゴミとして処分依頼できることがあります。粗大ゴミとして扱えるかどうかや、出し方は各自治体によって違うので確認してみてください。
粗大ゴミとして処分する場合は料金がかかるので、指定の場所でゴミ処理券を購入する必要があります。事前に回収日時を確認して、購入しておきましょう。
処分方法③クリーンセンターに持ち込む
クリーンセンターに持ち込めば早急に処分することができます。
可燃ゴミや粗大ゴミとして回収してもらう場合は、決まった曜日まで待たなければなりません。とくに粗大ゴミとして処分してもらう場合は、回収までかなり日にちがかかる場合があります。
早く植木を処分したい場合は、直接クリーンセンターやゴミ処分場に持ち込むのもおすすめです。処分する植木を自分で運ぶことになるので車を用意しなければなりませんが、手っ取り早く処分したい時にはおすすめの方法です。
処分方法④造園業者や解体業者に依頼する
一番確実な処分方法は、造園業者や解体業者に依頼する方法です。植木の伐採を依頼して、そのまま処分も依頼すれば、余計な手間がかかりません。処分費用はかかりますが、伐採後すぐに対応してもらえます。
処分費用は業者によって大きく異なります。費用面でトラブルにならないよう、事前に見積もりを依頼し、納得した上で処分してもらいましょう。
処分方法⑤不用品買取業者に依頼する
不用品買取業者に依頼する方法もあります。手数料は自治体のゴミ回収料よりもかかります。
処分方法⑥フリマなどで売る
植木をフリマなどを利用して売るという方法もあります。DIYの流行により木材の需要が高まっていることもあり、状態のよい植木ならスムーズに売れることがあります。売れれば処分する費用をおさえることができ、利益になる可能性もあります。
しかし、木材の売買は簡単ではありません。出品手続きをして、落札者が出るまで待たなければなりません。さらに落札者とやり取りをして発送するのに手間と時間がかかります。
また必ず売れるとは限らないので、植木を確実に処分したい場合にはおすすめできません。時間や植木の保管場所に余裕がある場合は、検討してみて良いかもしれません。
処分方法⑦リサイクルショップに持ち込む
リサイクル業者に持ち込むこともできます。焼却処分すればゴミになる植木も、リサイクル業者に持ち込むことで、ウッドチップやペレットに生まれ変わります。
木が大き過ぎて持ち込みが大変な場合は、回収してもらえるか相談してみましょう。植木の処分ができる上にエコにもなります。環境に配慮したいという場合は検討してみてください。
植木の処分にかかる費用
植木の処分にはさまざまな費用がかかります。植木の処分にかかる費用について確認しておきましょう。
処分費用①作業費
作業費には、植木を伐採する費用などが含まれています。植木の高さと伐採の難しさによって、費用は変わります。
障害物がある場所や、重機が立ち入れない狭い場所は、伐採が難しいので費用が高くなります。作業費には以下の費用が含まれているので、詳しい内訳を見ていきましょう。
伐採費用
伐採費用は植木の高さによって異なり、高さ1.5mまでは3,000円から13,000円程度の費用がかかります。高さ6mまでの植木の場合は、6,500円から37,000円程度の費用がかかります。
高さだけでなく横幅によっても費用が変わり、伐採する木によって費用が大きく異なります。
処分費用②抜根費用
抜根費用は、植木の根を掘り起こすための費用です。抜根費用は切り株の直径で決まります。直径15cmほどであれば5,000円程度、それ以上であれば10,000円から25,000円程度が相場です。
抜根作業は重労働なので、業者に頼むのがおすすめです。そのまま放置しておくと新芽が生えたり、邪魔になったりするので、費用はかかりますが抜根してもらうと今後のお手入れが楽になります。
重機費用
重機を使う大掛かりな伐採作業の場合は、重機費用も作業費に上乗せされます。10tクレーンを使った場合は10,000円、10tユンボを使用する場合は50,000円程度プラスされることになります。高さのある植木の場合は、重機費用がかかることを想定しておきましょう。
処分費用③運搬費
運搬費用は、伐採した植木を運び出すためにかかる費用です。植木を運搬するためには、トラックに乗せるために枝を落としたり長さを調節する作業が必要です。トラックを用意する必要があり、ガソリン代もかかるので、移動距離やトラックの台数によっても費用が変わります。
処分費用④処分費
伐採した植木は廃棄物扱いになるので、処分費用がかかります。木の状態が良く価値があると判断されれば、業者が買い取ってくれるので割引になることもあります。しかし、割引になるケースは稀で、ほとんどの場合廃棄物として処分されるので費用がかかるでしょう。
植木を処分する際に知っておくべきポイント
ポイント①雨に注意
植木は天気が良く、晴れている日に処分するのがベストです。雨が降ると木が水分を吸ってしまい、重くなってしまいます。
伐採後、処分するまで日にちがある場合も、雨に濡れることで重くなり持ち運びが困難になるので雨に濡れないよう注意しましょう。
処分するまで物置に保管したり、ブルーシートをかけるなどしておきましょう。
ポイント②植木を根本から切らない
自身で植木を伐採する場合は、一気に根本から切らないようにしましょう。急に根本から切ると一気に木が倒れ、大きな事故につながる恐れがあります。通行人を巻き込む可能性もあるので、十分気をつけなければいけません。
また、事故にならなくても、勢いよく倒れることで葉や枝が飛び散り、後片付けが大変になります。さらに、木が丸ごと1本倒れることで、運搬も困難になります。伐採するときは、処分しやすいよう少しずつ切るのがおすすめです。
ポイント③伐採後は早めに処分する
伐採した植木には、多くの葉が茂っています。しかし、時間が経てば経つほど、枯れて落ちてしまいます。大量の葉を片付けるのには手間がかかってしまいます。こうなると余計な仕事が増えてしまうので、伐採後の植木の処分は早めにするのがおすすめです。
ポイント④伐採に適した時期を見極める
植木の伐採には、それぞれ適した時期があります。木材として買い取ってもらいたい場合は、伐採時期にも注意しましょう。需要が多い杉の伐採に適した時期は、11月から12月の冬です。
しかし、植木を売らずに処分する場合は、木の水分が抜けている9月から春頃が適しています。乾燥している時期は木の水分が少なく、他の時期よりも楽に切ることができます。
ポイント⑤大きな木の伐採は業者に依頼する
自分で安全に伐採できる木の大きさは、3m程度が限度だといわれています。鉢に植えられた植木であれば素人でも処分できますが、地面に植えてある大きな庭木を個人で伐採するには大きなリスクが伴います。倒れて家屋が倒壊したり、通行人を巻き込む可能性もあるので、無理をして個人で伐採するのは避けた方が良いです。無理をすると、慣れない道具で怪我をする可能性もあります。大きな木の伐採処分は、信頼できる業者に依頼しましょう。
ポイント⑥大きな切り株の撤去は業者に依頼する
抜根も、伐採と同様に大きなものの処分は大変なので業者に依頼しましょう。
大きな切り株の処分を自分で行うのは大変です。木の根は地中で縦横無尽に広がって伸びています。切り株を抜き取るには、根がある程度細くなるところまで木の周りの土を数メートルも掘り進めなければいけないこともあるのです。
伐採業者では抜根は別料金になっていることが多いですが、労力を考えると抜根も一緒に頼んだほうがよいでしょう。
ポイント⑦植木を供養する
古来、日本では木には精霊や神様が宿ると考えられてきました。その考え方は今でも残っているので、植木を処分する際に供養するケースは少なくありません。木を守り神として崇めている歴史ある家では、供養するケースが多いようです。
特に、樹齢100年といった木を伐採する場合は、供養することをおすすめします。供養は、神社やお寺の他に、業者に頼むと手配してくれる場合もあるので確認してみてください。
時間がない場合は、お神酒と塩で清め、家族で感謝を伝え、手を合わせて供養しても良いでしょう。まだ生きている木をこちらの都合で伐採するという意味でも、供養することをおすすめします。
ポイント⑧土はゴミに出せない
植木を処分するときに注意しなければいけないのが、土の取り扱いです。多くの自治体において、土は「自然物」扱いとなるので、ゴミとして処分できない場合がほとんどです。場合によっては可燃ゴミ(または燃えないゴミ)として処分してくれる自治体もあるので、確認しましょう。
自治体で受け付けていない場合は、ホームセンターや園芸業者に引き取ってもらう方法もあります。店舗によっては引き取ってもらえないこともありますが、苗や樹木を販売している店舗では受け取ってもらえるでしょう。
また、有料にはなりますが、専門業者に依頼するという方法もあります。廃棄物処理業者や不用品回収業者に、回収してもらえるか確認してみてください。
不要な土の処分に困っても、不法投棄することは絶対にやめましょう。伐採を依頼するときに、あらかじめ土の処分方法について業者に確認しておくと安心です。
ポイント⑨相見積もりで業者を選ぶ
伐採の業者にもいろいろなところがあり、料金の設定にも差があります。まずはいくつかの業者に見積もりを出してもらいましょう。相見積りを取ることで、それぞれの業者の料金やサービス内容を比較検討できます。スタッフの対応の良さをチェックできる機会にもなるでしょう。
植木を処分しない場合に起こるトラブル
放置している植木を処分しないと、トラブルに発展してしまうこともあります。植木を処分しない場合に起こるトラブルについて見てみましょう。
トラブル①近隣からのクレーム
隣同士が近い住宅密集地では、植木がトラブルの火種になることがあります。とくに多いのが、木の枝や木の根が隣家へ侵入するといったケースです。初めは小さな植木でも年月とともに成長して、気がついたら近隣の迷惑になっていたというケースもあります。
伸びた枝は日光を遮ったり、車や歩行者の通行の邪魔になることもあります。
また、知らないうちに根が隣家にまで伸び、建物の土台下に入り込むケースもあります。木の根は建物を破壊したり、傾斜させることもあるほどですので、注意しなければいけません。
さらに、大量の落ち葉が隣家の敷地内に落ちたり、虫が大量に発生してしまうこともあります。植木をめぐるトラブルは少なくないので、手入れができない場合は業者に頼んで処分してもらいましょう。
植木は、枝や幹が自然に枯れてしまうこともあります。枯れてもろくなった植木は、地震や風などで倒れる可能性があり危険です。人が近くを歩いているところに大きな木が倒れたら、命を落としてしまう可能性もあります。危険を回避するためにも、枯れ木などは倒れてしまう前に処分しましょう。
トラブル②シロアリのトラブル
枯れてしまった植木を放置することで、そこに害虫が発生することがあります。とくにシロアリは枯れて柔らかくなった木を好んで食べるので、腐食した木材は、シロアリにとって恰好のエサになります。
シロアリが発生した植木を放置しておけば、家屋にまで侵入する可能性があります。放置しておくとシロアリをおびき寄せることになるので、早めに処分した方が良いでしょう。
さらに、シロアリに侵された木は倒れやすい状態になるので、台風や地震で倒壊する恐れもあります。見えない部分が腐食している場合もあるので、手入れの行き届いていない植木は早めに処分しましょう。
植木はポイントを抑えて適した方法で処分しよう
大きく成長した植木は、近隣トラブルやシロアリ被害など、放置することでさまざまなリスクが発生します。手入れできない場合は処分するという手もあります。
大きな植木の伐採は、業者に頼むのと安全です。その際、植木や土の回収方法なども前もって確認しておきましょう。