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木造住宅にかかる解体費用の相場
木造住宅の解体にかかる費用の相場をご存知ですか。
家を建て直したい人や、古家を解体してその土地に新しい建物を建築したい場合など、木造住宅を解体するときの費用が気になる方もいらっしゃるでしょう。
木造の場合、上屋のみの解体費用の相場は坪4~5万円程度です。
ただし、地階がある物件や、作業量が多くなるような複雑な物件はさらに解体費用が上乗せされていきます。
付帯工事にかかる費用の相場
付帯工事にも費用がかかります。付帯工事にかかる費用の相場は以下の通りです。
家屋内の残置物処分:1万円/平方メートル
ブロック塀解体:1万円/1本
庭木の撤去:2000~3000円/平方メートル
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廃材処理にかかる費用の相場
建物を解体する際に出た廃材を処理するのにも費用がかかります。廃材処理にかかる費用の相場は概ね3000~8000円/平方メートルほどです。木くずやコンクリートなど、廃材の種類によっても異なります。
整地にかかる費用の相場
建物を解体した後は整地を行う必要があります。整地とは、土をならして平らにするなどして土地をきれいにする工事です。土地に何も問題がなければ、500~1500円/平方メートルほどの費用で済みます。
しかし土地に大きな段差がある場合、または抜根や地盤改良が必要な場合などは、さらに高額になることがあります。
木造住宅解体にかかる費用を決める要因
木造住宅の解体費用の相場は坪4~5万円程度ですが、作業量や条件によっては解体費用がさらにかかってきます。
木造住宅の解体にかかる費用を決める要因を5つご紹介します。
1.立地
2.住宅がある地域
3.解体業者
4.家の大きさ
5.不随工事費用
1:立地
重機が入ることができないような、狭小な敷地や住宅密集地の場合、工事費用が高くなる傾向があります。
その理由は「手作業での解体が増えるため」です。
解体予定の建物の立地を予め把握しておくと、追加の解体費用がかかるかどうか見当をつけることができます。
2:住宅がある地域
解体工事現場が住宅街にある場合、防音対策が必要になり、追加の解体費用がかかる傾向があります。
騒音規制法により作業が規制されるため、騒音や振動に気をつけて作業する必要性が出てきます。
解体工法も騒音が少ないものに限定され、重機などを使えなければ手作業になります。そのためコストが高く、解体にかかる時間も長くなってしまう傾向にあります。
3:解体業者
解体の職人の数は年々減少傾向にありますが、解体には分別作業が必ず必要なため、重機での解体よりも手作業が増えてきているのが現実です。
以上のことから、人手不足により解体価格は上昇、解体作業時間も長期化傾向にあります。
4:家の大きさ
前述したように、解体作業は手作業の割合が増えている傾向にあります。
その理由は、リサイクル関連法という法律により、産業廃棄物処理や不法投棄の対策のため、解体現場では分別作業が必須となりました。
重機で一気に解体して、解体時に出たものを捨てることができなくなり、分別をしながら解体する「手作業・機械作業併用分別解体工法」という工法が現状多く取り入れられています。
上記から、家の大きさが大きければ大きいほど、コストと時間がかかります。
出典:第2条関係|国土交通省
5:付随工事費用
木造でも複雑な構造である場合や頑健な構造である場合は、高額な費用がかかることがあります。
さらに2階建てなどである場合は壊す面積や手間が増えるため、費用が高くなります。建物の地下に構造体がある場合も、解体費用が高くなります。
地下の解体費用は基本的に地上階の解体費用と同じくらいですが、場合によっては特殊な埋め立て作業が必要になることもあります。
使用されている建材も費用に関係します。壊しにくい建材であるほど解体費用が高くなります。
6:付随工事費用
樹木、ブロック塀、門扉、倉庫などメインとなる建物以外に不随されているものの解体、撤去には追加で費用がかかります。
解体する建物以外に撤去したいものがある場合は、さらに解体金額があがることも視野に入れておくと良いでしょう。
木造住宅の解体費用を安くする方法
木造住宅の解体にかかる費用は増加傾向にあります。できるだけ無駄な費用は抑えて解体工事ができるようにするためにはどうすればよいのでしょうか。
木造住宅の解体費用を安くする方法を3つご紹介します。
1.不要品は処分しておく
2.敷地内の草木を処理しておく
3.補助金を活用する
1:不用品は処分しておく
解体工事以外の不随工事があると、自然に解体費用が高くなってしまいます。まず、自分でも対応できる作業については先に処理しておくと、費用を抑えることができます。
家具家電などの不用品などの処分は、解体業者にお願いすることも可能ですが、予め自身で処分しておきましょう。
2:敷地内の草木を処理しておく
不用品の処理と同様、敷地内の草木も解体工事前に処理しておくことをお勧めします。
草木の処理についても解体業者に依頼することが可能ですが、付帯工事という扱いになり、解体費用に追加されます。
コストカットしたい場合は、草木の処理も忘れずに事前に実施しておくと良いでしょう。
3:役所への申請や届け出を自分たちで実施する
建設リサイクル法の事前申請や、道路使用許可申請書などの届け出や、解体工事後の建物滅失登記の申請などを自分で実施すると、その分解体工事費用を節約することができます。
4:補助金を活用する
解体に対して国からの補助金制度はありませんが、自治体によっては補助制度が利用できるところもあります。
自治体のホームページなどで、費用的支援があるかどうかや、支援金の内容について調べてみると良いでしょう。
5:重機をそろえている業者を選ぶ
重機をそろえている業者を選ぶことで費用を抑えられることがあります。効率的に作業できる重機をそろえている業者であれば、その分手作業が少なくて済みます。そのため人件費を抑えられたり、作業が短時間で終えられたりします。これらの理由から費用が安くなる場合があります。
6:複数の業者に見積もりを取る
複数の業者から見積もりを取り、依頼する業者を選びましょう。同じ工事内容であっても、業者によって解体費用が異なることがあります。業者の利益率の設定が異なっていたり、拠点から現場までの距離が違ったりするため、費用が異なってきます。複数の業者から見積もりを取り、比較検討して、依頼する業者を選ぶのがおすすめです。複数社から一括で見積もりを取れる相見積もりサービスもあるため、利用してみてください。
7:費用が足りない場合は「空き家解体ローン」を利用できる
解体費用を自分で用意できない場合は、「空き家解体ローン」を利用するのもおすすめです。空き家解体ローンは、空き家を解体する際に利用できるローンです。具体的な金利や借入額などは金融機関によって異なるため、比較検討しましょう。
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家を解体してから売るメリット・デメリット
解体費用について紹介してきましたが、そもそも、すでにある木造住宅を解体せずに売ることも可能なのにもかかわらず、家を解体してから土地を売ることによってメリットやデメリットはあるのでしょうか。
それでは、家を解体してから土地を売るメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
メリットは大きく分けて2つあります。1つ目は「土地を売りやすくなる」、2つ目は「土地活用ができるようになる」です。
1つ目のメリット「土地を売りやすくなる」点について説明します。
古い家屋が土地に乗っかったままですと、「住まいとしての価値がほとんどなくなってしまっている建物を売る」ということになりますので、土地だけの価格で売却することになります。
解体費用は購入者が負担するということになると、買い手が付きにくくなるということになりますので、解体までを売却者が対応していると売却しやすくなると言えます。
2つ目のメリット「土地活用ができるようになる」については、建物がないため、別の用途で土地を利用することができるということです。
例えば、駐車場や、農園、事業用として土地を貸すなど、住まい以外の様々な方法で土地を有効活用できます。
以上より、建物がないことによって新しい土地活用ができる点も利点の一つです。
デメリット
家を解体してから売るデメリットとしては、解体後「更地になった土地の固定資産税は減税対象外になる」ことです。
住宅用の建物が建っている土地の場合、固定資産税は最大1/6、都市計画税は最大1/3に税金が減税されます。
しかし、建物を解体して更地になっている場合、これらの制度が適用されなくなり減税対象外となるため、解体工事後に税金が上がります。
土地が売れるまで、高い税金を払い続けなければならない点がデメリットと言えるでしょう。
出典:【土地】2 住宅用地及びその特例措置について|東京都主税局
木造住宅を解体する流れ
住宅を解体する流れをご紹介します。
解体の準備
解体の準備とは、近隣住民の方にあいさつすることと、配管配線の撤去などを行うことです。
解体工事では騒音やほこりが出るため、近隣住宅へあいさつしに行き、作業内容と工事期間について説明します。
自分たちで電気とガスを停止して、配管や配線の撤去を電力会社やガス会社に依頼します。
水道については解体工事で工事会社が使用することが多いため、一般的に停止依頼は行いません。
工事で発生する使用料の負担をどうするかは、解体業者によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
解体工事
準備が終わったら解体工事を開始します。まず足場を組み、防音シートで覆うなどして近隣住宅への悪影響が少なくなるよう処置します。
その後は、内装材や、ドアなどの建具、設備機器、備え付け家具を解体します。次に骨組みである梁や柱、屋根を解体します。最後にコンクリートの基礎を掘り起こして解体します。
廃材処理・整地
解体が終わったら、廃材を、木やタイル、ガラスなど素材ごとに分別して運び出します。次に地中に余計なものが埋没していないかを確認してから、土地を平らにする整地工事を行います。これで工事は完了です。
木造住宅の解体にかかる期間
建物の大きさなど条件によって解体期間は異なりますが、解体にかかる期間約10日~2週間ほどです。住宅内の残置物処分やブロック塀解体、庭木の撤去など、付帯工事が必要な場合は、さらに日数がかかる場合があります。
木造住宅を解体する際の注意点
木造住宅を解体する際の注意点についてご説明します。
解体後に建物滅失登記を行う
建物が建築されたときに登記を行いますが、解体した時にはこれをなくすための建物滅失登記を行う必要があります。
滅失登記は自分で手続きをしなければなりません。滅失登記が済んでいないと、建て替えができなかったり、存在していない建物に固定資産税がかかったり、様々な問題が起こってしまいます。
建物を解体したのにこの建物滅失登記をしていないと、10万円以下の罰金が科されるケースもあるため注意しましょう。
滅失登記の手続きは土地家屋調査士に依頼することもできますが、簡単なので自分で手続きすることもできます。滅失登記の手続きを自分で行う場合は以下のような流れで行いましょう。
1. 法務局で建物の登記簿謄本を取得する
2. 建物滅失登記申請書を作成する
3. 解体業者から登記事項証明書や印鑑証明書を受け取る
4. 法務局で登記の申請をする
更地にすると再建築できなくなる可能性がある
建物を解体すると再建築不可になってしまうケースがあります。建物を建てる際は、建築基準法などで定められている基準を満たさなければなりません。
しかし建物を建てた後に法律が改定され、建築した時には適法だったのに、建築した後にその土地が建物を建てられない土地になってしまうケースがあります。
再建築不可の土地は、売却することが難しくなります。建物を解体した後に、建物を建てられない土地になってしまい、土地を売り出した際に売れなくなってしまうことがあるのです。
建物を解体する前に、現在の法律上で建物を再建築できる土地であるかどうか確認しておきましょう。
木造住宅の解体費用の相場理解から始めよう
木造住宅の解体工事に関わる費用や、建物の解体後の土地売却についてのメリット・デメリットについて紹介しました。
解体費用は、人手不足や手作業が多いことから費用が年々上がってきています。
すでにある建物を解体してから売却することで買い手が付きやすくなりますが、解体費用がかかったり、税金が上がったりと、メリットもありますがデメリットもあります。
住宅解体や土地売却を検討中の方は、解体対象の土地が解体に向いているか、また解体費用の相場などを予め調査することをお勧めします。
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