解体工事で出た不要品は自分で処分する?業者に依頼する?手順や注意ポイントを解説

解体工事

家屋を解体する際には、不要な家具や家電などを処分する必要があります。

普段捨てているゴミとは違い、大型のものや処分方法が特別であるものが多いため、処分を誰にどこまで依頼できるのか、費用を少しでも安く抑えるにはどうしたらいいのか、などさまざまな疑問点が生じてくることでしょう。

そこで今回は、家の解体工事をする際に出る不要品の処分方法について、自分で処分する手段、業者に依頼する手段におけるポイントを紹介します。

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不要品は自分で処分?業者へ依頼?どちらがよいか

自分で処分するのは大変ですが、処分にかかる費用をかなり節約することができます。

「いくらかかってもいいから自分の手を煩わせたくない」という方以外は、できる限り自分で処分することをおすすめします。

重い、大きいなど自分で処分するのが困難な場合には、解体工事を依頼する業者さんに解体工事と併せて、不要品の処分費用も見積もってもらいましょう。

ただし、近場に不要品の回収業者がある場合には、双方の見積もりを比較して、条件のよい方に依頼するとよいでしょう。

タンスのような木製家具は、建物に使っていた木材と一緒に重機でつぶして処分できる場合があります。

また、プラスチックやスチールなどの金属も同様に、建材と一緒に処分できる可能性があります。まずは解体業者に相談してみましょう。

不要品を自分で処分する手段

解体工事の前に建物の中を整理すると、新居で使う家具や家電以外は不要品ばかりとなり、処分する必要があります。

これを自力で処分するのであれば、どんな手段が考えられるでしょうか。

一般ゴミとして処分する

日用品や生活ゴミなどは、ゴミの日に一般ゴミとして出すことができます。一般ゴミとして出せば、分別用のゴミ袋の費用程度で済むので、もっとも安上がりです。

カンやビン、雑誌などの資源ゴミも出せるので、解体工事に間に合うように計画的に処分していきましょう。

大きな家具も分解することで、一般ゴミとして回収してもらうことが可能です。

粗大ゴミとして処分する

大型家具で、自力での分解が不可能なものは、粗大ゴミとしてを処分しましょう。

事前に電話やインターネットで自治体に回収の申込をし、回収日時を決めて、指定のゴミ処理券を購入します。

ゴミ処理券は、郵便局やスーパー、コンビニ、金融機関で販売されています。地域によって、また品目や大きさなどによっても回収費用は異なります。

また、分別した不要品をゴミ処理施設に持ち込んで処分することも可能です。

施設によって違いはありますが、自動車に積載したまま重量を計測し、ゴミをおろし終わった後にも計測して、重量の差分から料金を算出する方式の処分場が多くなっています。

このような持込方式であれば、回収に来てもらうよりも処理費用が抑えられます。

売却する

リサイクルショップなどで買い取ってもらうのも一つの方法です。状態がよかったり、人気商品であったりすれば、高値がつくこともあります。

骨董品や美術品などを処分する場合は、専門業者に鑑定を依頼しましょう。こちらも、意外な値打ち品であることも考えられます。

しかし査定にある程度の時間がかかりますし、査定に出すための手間もかかります。特に大型家具などを自分で買い取り店まで運ばなければならないのは大変ですね。

片付けの時間に余裕があれば、無理のない範囲で、という心づもりでいるのがよいでしょう。

友人や知人へ譲渡する

きれいな状態でまだ十分使えるものであれば、友人や知人に譲渡することも選択肢の1つです。ほしいと言う人がいたら、譲りましょう。処分してしまう前に一度、友人や知人に確認をとってみることをおすすめします。

地域の住民に無料で譲る

市区町村内の役所が「リサイクル情報掲示板」のようなサービスを行っている場合は、こちらを利用して地元の人に譲ることができます。

サービスを行っている部署名は、役所によって「資源循環センター」など名称が異なります。

ただ、必ず貰い手が見つかるわけではありませんし、貰い手がいなかった時に役所が引き取ってくれるわけでもありませんのでご注意ください。

参考画像:
練馬区資源循環センター リサイクル情報掲示板<譲ります・譲ってください>

オークションに出品する

少し上級者向けですが、オークションに出品するという方法もあります。処分予定だったものに価値がつき、予想外の収入につながる可能性に期待できますね。

家電リサイクル法

家電リサイクル法の正式名称は「特定家庭用機器再商品化法」といいます。

リサイクルを行うことで廃棄物を減少させ、資源を有効利用するために作られた法律です。

対象となる家電はゴミとして処分できないので、法律で定められたリサイクル方法で処分しなければなりません

家電リサイクル法の対象製品

対象となっている家電は以下の4種類で、業務用として製造・販売された製品は対象外です。

  • エアコン
  • テレビ ※パソコンのディスプレイは対象外
  • 冷蔵庫・冷凍庫
  • 洗濯機・衣類乾燥機

詳しい分類方法は、一般財団法人家電製品協会家電リサイクル券センターのサイトを参照してください。

参考URL:http://www.rkc.aeha.or.jp/text/p_4list.html

家電リサイクル法対象製品のリサイクル方法

家電リサイクル法の対象製品を処分する場合には、「製品を購入したお店」に引取りの依頼をします。

買い換える場合は「買い換える製品を販売するお店」に依頼することが可能です。 ネット通販やテレビショッピングで買った場合も、購入した会社に実店舗があれば、その店舗へ依頼できます。

製品を買ったお店に引取りを依頼できない場合

「家電を買ったお店がなくなってしまった」、「どの店で買ったのかわからない」といった場合には、自治体に処分を依頼できます。

詳しくは全国自治体家電リサイクル関連ページを参照してください。https://www.kaiketsukr.com/municipality/ 

リサイクルに必要な費用

対象家電はリサイクルプラントで解体され、鉄などの再利用可能な資源と再利用できない素材、特別な処理が必要な有害物質に分類されます。

これらにかかっている費用がリサイクル料金と呼ばれています。

画像は一般財団法人家電製品協会から引用:https://www.kaiketsukr.com/disposal/

われわれ消費者(排出者)は、不要になった家電をリサイクルする料金と収集・運搬にかかる料金を支払い、小売業者へ渡します。

小売業者に引取られた家電は製造業者へ引渡され、製造業者は家電リサイクル法に基づいたリサイクルを行います。

小型家電リサイクル法

家電リサイクル法の対象になっていない電話機やデジタルカメラなどの小型家電は、小型家電リサイクル法に従ってリサイクルされます

自治体ごとに回収方法や対象製品、リサイクル料金を定めています。

ですが、小型家電はリサイクルショップに買い取ってもらいやすい製品が多いので、まずはリサイクルショップに買い取りを依頼した方が面倒もなく、うまくいけばいくらかの収入にもなります。 

まずリサイクルショップに査定を依頼し、引取ってもらえなかったものは自治体のルールに従って処分することをおすすめします。

自分で指定取引所へ持ち込む場合

多少の手間はかかりますが、もっとも費用をかけずに処分することが可能です。

自分で家電をリサイクルする手続方法を見てみましょう。

家電リサイクル券に記入する情報の準備

「家電リサイクル券」という名称ですが、見た目は図のような振込用紙です。

リサイクル券にはリサイクルする製品の情報を記入する必要があります。

製品のメーカー名、テレビは画面のサイズ、冷蔵庫や冷凍庫は内容量をメモします。

リサイクル料金は一律ではなく、製造したメーカーによって変わります。

エアコン、洗濯機はサイズでリサイクル料金は変わりませんが、テレビと冷蔵庫・冷凍庫はサイズ・容量で料金が変わります。

テレビの画面サイズ、冷蔵庫や冷凍庫の容量の調べ方

テレビの画面サイズは本体裏側に貼ってあるラベルに記入されています。

液晶やプラズマなど薄型のテレビは「受信機型サイズ」という項目名で記されています。この画像の場合、「58V」です。58V型なので、区分は「大」となります。

画像の出典:一般財団法人家電製品協会 テレビの画面サイズ、冷蔵庫・冷凍庫の内容積の調べ方

冷蔵庫や冷凍庫は多くの場合、扉を開けた内側にラベルが貼られています。ラベルに記されている「全定格内容積」が内容積です。

この画像の場合、670リットルです。家電リサイクルの区分では171リットル以上は「大」なので、この冷蔵庫は「大」となります。

画像の出典:一般財団法人家電製品協会 テレビの画面サイズ、冷蔵庫・冷凍庫の内容積の調べ方

メーカーやサイズによる家電リサイクル料金の違いを詳しく知りたい場合は、
こちら”https://www.rkc.aeha.or.jp/recycle_price_compact.html”で調べることができます。

家電リサイクル券は郵便局で受け取れます。メモを持って郵便局へ行きましょう。

郵便局でリサイクル券に記入して、リサイクル料金を支払う

家電リサイクル券は貯金窓口で受け取れます。ゆうゆう窓口(保管郵便物や局留を受け取れる窓口)やATMコーナー、一部の簡易郵便局ではリサイクル券を受け取れませんのでご注意ください。

郵便局にある「リサイクル料金一覧表」で、製造業者等名コード、品目・料金区分コード、リサイクル料金を確認して記入しましょう。

記入方法がわからないときは家電リサイクルセンター0210-319640(受付時間9時〜18時。日曜、祝日はのぞく)へ問い合わせるか、こちら ”https://www.kaiketsukr.com/coupon/postoffice.pdf”を参考に記入してください。

記入を終えたあと、リサイクル料金を窓口かATMで振り込みます。振込手数料はリサイクル券1枚ごとにかかります。

指定取引所へ持ち込む

家電リサイクル券の支払いが終わったら、リサイクルする家電を指定引取場所へ持ち込みます。

リサイクルする家電とリサイクル券のつづり一式を持って最寄りの指定取引所へ持ち込みましょう。

最寄りの指定取引所は
こちら”https://www.kaiketsukr.com/areasearch/”から検索することができます。営業日もあわせて調べておきましょう。

家電を自動車に積んだまま受付でリサイクル券を渡すと、家電を引取ってもらえます。

※指定取引所によって搬入方法が異なる場合があります。詳しくは持ち込み予定の指定取引所へお問い合わせください。

家電量販店による回収

多くの家電量販店は有料で家電の回収を行っています。お近くに店舗に家電のリサイクルを申し込むことで回収してもらえます。受け付けていない場合もありますので、店舗へご確認ください。

表: 家電量販店リサイクルダウンロード

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解体工事の際の不用品を処分するポイント

処分方法によって、処分に手間がかかることがあり、費用が多くかかってしまうこともあるので、ポイントをしっかり確認しておきましょう。

蛍光灯などの電灯は必要ない部屋から順番に外す

暗くなってからの時間帯や、暗めの部屋では明かりがないと作業しにくいですよね。

だからといって電灯をそのままにして解体工事が始まってしまうと、残った電灯は解体業者が産業廃棄物として処分します。

産業廃棄物の処理費用は有料なので少しでも減らしたいですよね。

電力会社に引込線の撤去依頼の連絡をすると工事をする日が決まります。

工事日までに作業が終わった部屋から順番に外していき、工事の日には最後の電灯を外しましょう。

電力会社に連絡する際には必ず、「建物を解体工事するので電線の撤去を依頼する」と伝えましょう。そうしないと電気の停止になるだけで電線の撤去にはならないことがあります。

家庭で使っている蛍光灯などの電灯は、自分で処分すれば家庭ゴミとして行政のゴミ収集に出すことができます。

家具は解体して処分する

大型家具はそのままの状態でゴミ収集所においても回収されませんが、解体して小さくすることで、通常のゴミとして処分できることもあります。

ただ、大型家具を解体する場合は、簡単にはいかず、手間がかかる点で効率が悪いこともあるでしょう。電動工具を使う場合、大きなケガをする危険もあります。

大きな机や食器棚など、解体が難しいと感じたものは、粗大ゴミで出してしまうことを検討しましょう。

処分する時期について予定を立てておく

処分時期の予定を立てておくことも大切です。回収には、申込をしてから持って行ってくれるまで時間がかかります。

好きな時に処分できないので、早めに回収を申し込んでおくことが大切です。

自治体の規定を確認する

自治体に処分してもらう場合、自治体で定められている決まりを確認する必要があります。

たとえば、家具に関しては「高さと幅の合計が〇cm以下のもの」「ベッド本体はシングルのみ、マットレス類を除く」など、市町村ごとに規定は異なります。

必ず自分の住んでいる市町村のWebサイトで確認しましょう。複数の家具を処分する場合は、費用が高くなってしまう可能性にも注意する必要があります。

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不要品を解体業者に処分してもらう際のポイント

処理費用が高額になる

解体業者の解体工事の見積もり内訳には、解体時に出る家具や不要品の処分については含まれていないことが一般的です。

しかし、処分を請け負ってくれる解体業者もあるので、自分で処分できない場合は、解体業者の利用がおすすめです。

タンスや棚などの木製家具は、解体工事で出た木くずなどと一緒に処分できるので、解体業者に一緒に依頼することで安く処分できることがあります。

しかし、処分する家具の量が多いと追加費用が発生することもあるので、解体工事前に見積もりしてもらい、業者に費用を確認しておきましょう。

家具の種類や素材によっては、無料で処分してもらえることもあります。

プラスチック製品や金属類も業者に依頼して処分してもらえます。処分する不要品は他の産業廃棄物と一緒に重量で費用が決まります。

一般廃棄物か産業廃棄物として処分できるか確認する

廃棄物は、一般廃棄物と産業廃棄物の2種類あります。家の解体時に出る家具や不要品を一般廃棄物か産業廃棄物、どちらの区分で処分するかによって処分費用が変わってきます。

産業廃棄物として区分されるものを業者に処分してもらうと、費用が高くなってしまうので、注意が必要でしょう。

これは何ゴミ?わかりにくいもの

家具以外の処分方法について紹介していきます。

自分で処分することを決めたものでも、不要品ごとに処分の方法は異なり、どのように処分していいかわからないものが出てくることもあるでしょう。

自治体ごとで対応が異なることもありますので、電話で聞いてみるか、インターネットで調べておきましょう。

カーペット

カーペットの場合、自治体によって処分の基準は異なりますが、素材によって、可燃ゴミか不燃ゴミ、粗大ゴミとして分類されます。

小さいサイズのカーペット、もしくは大きなカーペットでもカットして処分する場合は、素材によって可燃ゴミか不燃ゴミのどちらかになることがほとんどです。

ウールや綿、イグサが素材のカーペットは可燃ゴミですが、裏地がゴム素材のタイルカーペットは不燃ゴミです。

ホットカーペットは電気機器が含まれているため粗大ゴミです。また、素材を問わず大きいサイズのままであれば、粗大ゴミと扱われます。

布団

布団は、粗大ゴミとされることがほとんどです。ただ、素材と大きさによって、自治体ごとで認識が違うこともあるので、電話で聞いてみるか、インターネットで調べておきましょう。

パソコン

パソコンは、資源有効利用促進法に基づいて、メーカーごとに回収しているので、処分依頼を出しましょう。

基本的にはメーカーの問合窓口に回収の申込をおこないますが、事業撤退などによりメーカーが不存在となった場合などは有料で回収を受け付けているパソコン3R推進協会を利用しましょう。

出典:資源有効利用促進法|経済産業省

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不要品処分のおすすめ手順

今回の記事では不要品の処分方法を紹介してきましたが、これらをうまく順序立てることで、労力を減らし、費用も抑えることができます。

おすすめの手順をご紹介しますので、ぜひ参考になさってください。

  1. 必要なものは運び出し、不要なものは解体する家の玄関から一番近い部屋か搬出しやすい場所にまとめる
  2. リサイクルショップに出張見積もりを依頼。引取ってもらえるものは全部引取ってもらう
  3. 引取ってもらえなかったものを自分で運び出せる範囲で処分する。捨てられるものは可能な限り「家庭ゴミ」として捨てる
  4. 自分で処分できなかったものは回収業者と解体業者の双方から見積もりを取る
  5. 見積書を比較し、条件のよい方に処分をお願いする

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不要品は処分方法について確認してから処分しよう

家の解体時に出る家具や家電などの不要品を処分する方法や、業者に依頼する場合についてご紹介しました。

基本的にできるだけ自分で処分したほうが費用は抑えられますが、すべての家具、不要品を自分で処分するのは大変なので、必要に応じて業者の利用も検討しましょう。

しっかりスケジュール調整しておかないと、解体日が迫ってしまい、思うように処分が進まないこともあるでしょう。

そうならないためにも、あらかじめ家の解体時に出てくる家具などの不要品の処分方法やスケジュールについて確認しておくことをおすすめします。

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