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実家を処分する方法とは?

親が亡くなり相続手続きする際、よく問題となるのが空き家となった実家の相続方法です。相続人のなかで実家を継ぐ者がいない場合は、遺産分割を行うためにも一般的に処分を検討することになります。
空き家となった実家を処分するとなると、必要書類を揃え、いくつかの手順を踏みながら手続きしなければなりません。本記事では、実家を相続した際に行う処分方法を詳しく紹介していきます。
空き家となった実家を残しておくデメリット5つ

思い出の詰まった大切な実家を処分するのに抵抗があり、空き家として残した場合、いくつかのデメリットが想定されます。
ひとまず家の片づけを後回しにできる、更地にするよりは固定資産税を安く抑えられる、というメリットはありますが、デメリットの大きさについてもしっかり把握しておきましょう。
ここからは、それぞれのデメリットについて具体的に解説していきます。
- 家付きの土地は安価になる
- 家の劣化が進行していく
- 近隣に迷惑をかける可能性がある
- 固定資産税がかかり続ける
- 防犯上の問題がある
1:家付きの土地は安価になる
よほど立地が良く価値がある場合を除き、家付きの土地は買い手が少なく安価になる傾向があります。築年数の長い家であるほど、その傾向は顕著です。安価になるどころか、買い手が現れないというケースも少なくありません。
少しでも条件の良い取引を行いたい場合は、家をリフォームするという選択肢もあります。しかし費用を考えると、結果的に収支がプラスになるかどうかは難しいところです。
2:家の劣化が進行していく
空き家となった家はすでに築年数の経過した家が多く、住む人がいなくなると劣化は一気に進行していきます。ドアや窓が閉め切られた家は風通しが悪くなり、木材がどんどん腐食してしまいます。
自分の現住所が実家に近ければ定期的に訪れることもできますが、手間と時間がかかるでしょう。空き家の劣化を防ぐのは厳しいのが現実です。また、地震や台風といった災害時には倒壊するリスクも高まります。
3:近隣に迷惑をかける可能性がある
管理されていない家の周辺は雑草が伸び放題になり、近隣に迷惑をかけてしまう可能性があることや、家の劣化が進行したせいで、臭いが気になるといった苦情が出るケースもあります。
さらに、万一火災や自然災害が起きて空き家が倒壊した場合、近隣に被害を与えてしまうリスクもあり、ご近所トラブルを避けるためにも、空き家のまま長く放置しておくのはおすすめできません。
4:固定資産税がかかり続ける
実家をそのままにしておく間は、ずっと固定資産税を負担しなければなりません。固定資産税を誰がいつまで支払うかについて、相続人間で揉める可能性もあります。
税額は実家のある市町村や、土地面積と家屋の床面積によって異なりますが、年4回にわたる支払いが続くのは決して軽い負担ではありません。将来的にどうするのか早めに決めなければ、負担ばかりが大きくなってしまいます。
5:防犯上の問題がある
明らかに空き家と分かる状態で放置しておくと、不審者が住みついたり放火目的で火をつけられたりと、防犯上様々な問題が考えられます。もし、近隣にまで延焼した場合、空き家の状態によっては管理不足として、多大な損害賠償を求められるリスクもあるでしょう。
また、近年では特殊詐欺の送金先として悪用される事件も起きており、意図せず犯罪に巻き込まれてしまう可能性もあります。
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空き家となった実家を処分するメリット5つ

空き家となった実家を残しておくと様々なデメリットがある反面、処分すると多くのメリットがあります。
例えば、空き家のまま残したときにかかる費用面の負担が、大きく軽減されます。併せてメンテナンスの手間もかからず、相続人間での揉め事も避けられます。ここからは、各メリットについて詳しく見ていきましょう。
- 売却費をローン返済に充てられる
- 維持費がかからなくなる
- 保険料の返却を受けられる場合がある
- 売却して現金を受け取れる
- メンテナンスの労力が必要なくなる
- 相続手続きを円滑に進められる
1:売却費をローン返済に充てられる
実家の住宅ローンがまだ残っていた場合、処分すれば売却費をローン返済に充てることが可能です。相続する際は、被相続人の借金もまとめて引き継がなければならないため、相続前に確認しておきましょう。
ただし、被相続人である契約者が団体信用生命保険に加入していれば、亡くなったときの死亡保険金でローン返済となるため、相続人に負担はかかりません。契約者が生前のうちに確認しておくと安心です。
2:維持費がかからなくなる
実家を処分することで、所有時に負担しなければならない納税義務や、家のメンテナンス費用といった維持費がかからなくなるのは大きなメリットです。金銭面に加えて、実家を管理する手間からも解放されます。
納税義務として想定されるのは、固定資産税や都市計画税です。これらの税金は、家を処分するまで支払い続けなければなりません。家屋を維持するメンテナンス費用も合わせると、維持費は予想以上にかかるでしょう。
3:保険料の返却を受けられる場合がある
実家を売却処分した際は、現金のほかに住宅ローンの保証料や火災保険料の返却を受けられる場合があります。どちらの保険料も、保険会社や残りの保険期間、商品内容によって料金が異なるため、売却前に各保険会社へ確認しておきましょう。
基本的に、返却分の保険料は手続きを行なわなければ受け取ることはできません。保険の有無を早めに把握し、手続きを忘れないようにしましょう。
4:売却して現金を受け取れる
実家を売却処分すると現金を受け取れるため、相続人同士での分配や相続にかかる費用の支払いなどに使用できて便利です。手続きの多さやトラブルに発展するリスクを考えると、個人間での売却よりも不動産業者に依頼することをおすすめします。
早い時期に決断すれば、家屋の老朽化が進行する前に売却に出せるので、価格を下げずに済む可能性が高いです。住む予定のない実家を引き継ぐよりも、効率的な相続方法といえます。
5:メンテナンスの労力が必要なくなる
実家がそのままだと、害虫駆除や掃除、周辺の除草などメンテナンスのための労力がかかりますが、実家を処分すればその必要がなくなります。場所によっては冬になると除雪作業が必要となるため、メンテナンスは予想以上に大変になるでしょう。
また、実家から距離があるとメンテナンスできず、天候が悪くなるたびに家屋の状態が心配になるでしょう。実際の労力はかからない反面、精神的に負担となるケースが多いです。
6:相続手続きを円滑に進められる
実家を処分すれば売却した分の現金が手に入るので、相続人どうしで分配しやすく、相続手続きが円滑に進められます。公平性が保たれるので、分割協議でのトラブルを未然に回避できるでしょう。
また、現金であれば相続税が思っていたより高額だったとしても、納税資金として使えるため安心です。預貯金を相続するのは日数を要することが多いため、自分の貯金に手をつけず、売却した分の相続資産のみで手続きを完結できる可能性があります。
実家を売却する前に準備しておくこと

相続を開始し実家を売却処分する前に、準備しておくことがあります。主に上げられるのは、下記に掲載している2つです。この2つを怠ると、後に大きなトラブルとなります。
そのほかにも、隣家との境界線を確認したり、相続登記してからの名義変更をしたりといった手続きを経て、はじめて売却する準備が整います。ひとつずつ確実に実施していきましょう。
- 遺品の廃棄処分
- 遺言書の有無の確認
遺品の廃棄処分
不動産を売却するときは、何もない状態で明け渡さなければならないため、先に遺品の廃棄処分を済ませる必要があります。ただし、勝手に遺品を整理してはトラブルのもとになりかねないため、相続人同士で話し合ってからにしましょう。
ゴミの廃棄は自治体ごとにルールがあるため、慣れていないと予想以上に時間がかかります。時間を確保するのが困難な場合は、遺品整理を請け負う業者に依頼するのもひとつの方法です。
遺言書の有無の確認
準備しておくことの2つ目は、遺言書の有無の確認です。遺言書には遺産の分割方法をはじめとした被相続人の意向が記載されています。遺言書の種類は主に、公正証書遺言と自筆証書遺言の2種類です。
遺言書の作成にはある程度専門的な知識が必要なため、被相続人と付き合いのあった弁護士や税理士がいれば相談してみましょう。公正証書遺言は公証役場、自筆証書遺言は実家のほか銀行や法務局に保管されています。
空き家となった実家を売却処分する手順7つ

空き家となった実家を処分するには、7つの手順があります。
大まかなスケジュールは、相続分の話し合いから境界を明確にするまでに約2~3ヶ月、価格査定から資料を探すまでに約1ヶ月が目安です。その後の売却活動から契約に至るまでは、家屋の状態や土地の価値によって大きく異なります。
売却が完了するまでには、通常半年~1年程度かかります。
- 相続分の分割方法について話し合う
- 実家の名義を変更する
- 仏壇を移動させる
- 土地の境界を明確にする
- 実家の価格を査定する
- 不動産会社を決め書類を提出する
- 建物や土地購入時の資料を探す
1:相続分の分割方法について話し合う
遺言書がある場合を除き、相続分の分割方法について、相続人全員で話し合う遺産分割協議を行います。協議する方法としては、直接集まるだけでなく手紙やメール、あるいはリモート開催でも可能です。
実家を相続する際の分割方法は、主に現物分割と換価分割があります。どちらの方法にもメリットとデメリットがあるため、後から揉めることのないように両面を把握したうえで決めましょう。
現物分割
現物分割とは、実家である不動産をはじめ、車や株式などをそのままの状態で相続する方法です。そのため、誰が実家を相続するのかを明確にできるメリットがあります。
しかし、不動産を相続する人と車や株式を相続した人とではそれぞれ価値が異なるため、どうしても不公平になりがちです。法定相続分に応じて土地を分筆できるケースもありますが、建物は分筆できません。
換価分割
換価分割とは、実家を売却処分して現金化し、相続人間で分配する方法です。現金であるため、売却にかかる経費を差し引いて、公平に分配できるというメリットがあります。実家に住みたい、または残したいという相続人がいなければ、スムーズに分割できる方法です。
反面、実家の買い手がつかず売却できないというリスクがあります。また、売却できないまま一定期間が経過すると、譲渡所得税が発生する可能性もあるのです。
出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
2:実家の名義を変更する
実家の売却を進めるには、まず相続登記をして実家の名義を変更する必要があります。まずは共有名義か単独名義か選ぶ必要がありますが、換価分割を選択する場合は共有名義の状態で売却しなければなりません。
どちらの選択肢でも必要書類は多岐にわたるため、司法書士のような専門家に依頼するのが近道です。書類の用意から申請まで依頼する場合、料金は10~15万円程かかります。
3:仏壇を移動させる
売却活動が始まる際には不動産会社が実家の内覧をするため、その前に仏壇を移動させておきましょう。仏壇の移動は他の遺品整理とは違って、お寺に依頼して供養を行う必要があるためです。
具体的には、魂抜きをしてから仏壇を移動させ、あらためて魂入れを行ないます。お寺との日程調整があるため、できるだけ早めに移動場所と候補日を決めておきましょう。
4:土地の境界を明確にする
年数が経過した実家は、隣家との土地の境界がいつの間にか曖昧になっているケースも珍しくないため、あらためて境界を明確にしておくことが重要です。これは、売却時にご近所トラブルが発生するのを未然に防ぐ効果があります。
本来、境界線は法務局に登記されていますが、築年数によっては古くて情報が正確ではない可能性があるため、注意が必要です。境界を確定するには確定測量士に依頼し、隣家の人の立ち合いの元行います。

5:実家の価格を査定する
実家を売却する準備が整ったら、いよいよ不動産会社に依頼して、実家の価格を査定することになります。不動産を評価する方法は会社ごとに異なるため、複数社で査定して精度を高めるのがおすすめです。
インターネットでは複数社に一括査定できるサイトがあるため、利用することで手間が省けて時間も短縮できます。現在の実家にどれだけの価値があるのか、しっかり見極めましょう。
6:不動産会社を決め書類を提出する
不動産会社が決まったら、仲介契約を締結するための書類を提出します。契約を締結することで、不動産会社が売却実務を開始するという流れです。
契約書類には、売却実務を行うための条件や、売却成立時に不動産会社が受け取る報酬金額などが記載されています。基本的に契約が締結してからでは変更できないので、見落としがないようにしっかり目を通しましょう。不安な部分は、直接不動産会社に聞いておくと安心です。
7:建物や土地購入時の資料を探す
売却手続きをスムーズに進めるため、建物や土地を購入したときの売買契約書や、建築確認済証・検査済証などの資料を探しておきましょう。資料があれば、売却時にかかる経費を安く抑えられることがあります。
関連資料はできるだけ多く集めておくのがおすすめです。資料が見つからない場合は、市町村役場で取得できるものもあるため、不動産会社に相談してみましょう。
土地の名義変更3パターンで必要な書類

実家を売却するうえで欠かせない手続きである土地の名義変更では、相続するパターンによって必要書類や必要枚数が異なります。想定される主なパターンは下記のとおりです。
- 遺言に基づいて相続する場合
- 話し合いの元分割する場合
- 法定相続の場合
1:遺言に基づいて相続する場合
遺言書があり、遺言に基づいて相続する場合は、相続人全員の住民票・被相続人の戸籍謄本・固定資産税証明書に加えて、遺言書の提出が必要です。遺言書は、自筆証書遺言か公正証書遺言かによって気をつけるポイントがあります。
公正証書遺言の場合は、公証役場で取得した正本・謄本どちらかを提出してください。自筆証書遺言は、法務局に保管した場合を除き、家庭裁判所で検認を受けてから提出しましょう。
2:話し合いの元分割する場合
話し合いの元分割する場合は、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の印鑑証明書と併せて提出するのが大きな特徴です。そのほか、相続人全員の戸籍謄本と住民票・固定資産評価証明書・被相続人の戸籍謄本と、住民票の除票が必要になります。
ちなみに、住民票については新たな名義人を指定し、遺産分割協議書にその旨が明記してある場合は、新たな名義人のみで手続き可能です。
3:法定相続の場合
法定相続分に基づいて相続した場合は、相続人全員の住民票・被相続人の戸籍謄本、そして固定資産評価証明書が必要です。住民票については、住所地を管轄する市区町村の役所で取得できます。本籍地が記載されていることが必須条件であるため、しっかり確認してください。
また、固定資産評価証明書についての取得場所は実家の所在地にある市区町村の役所です。古いものは使えないため、最新年度のものを用意してください。
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実家売却時の税金を節税する方法

実家を売却する際には、相続税・登録免許税・譲渡所得税・印紙税が課税されますが、これらの税金を節税する方法があります。方法は下記の2通りです。知っているのといないのでは大きな違いが出てくるので、ぜひチェックしておいてください。
- 相続空き家の特別控除を受ける
- 土地の取得費を予め把握しておく
相続空き家の特別控除を受ける
相続発生時に実家が空き家となった場合、「空き家の特例」という特別控除が受けられます。空き家の特例は、実家の売却時に取得した譲渡所得から一律3,000万円を納税対象から控除するという内容です。
ただし、特例を受けるにはいくつかの条件があります。例えば、相続してから譲渡するまで約3年の期限があることや、求められる耐震基準を満たしているかどうかが主要な条件です。
出典:空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除)|国土交通省
土地の取得費を予め把握しておく
土地の取得費を予め把握しておくと、実際の譲渡価額からその分の取得費を差し引いて譲渡所得金額を算出できます。つまり、譲渡所得金額が下がればその分譲渡所得税を減額できるのです。
一方、実際の取得費が不明だった場合は、概算取得費を用いて取得費を計算します。その結果、譲渡取得が高額になる可能性が高く、連動して譲渡所得税も高額に算出されてしまいます。
出典:No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
譲渡所得の計算方法
譲渡所得の計算方法は、売却した際の収入金額から土地を購入した取得費と、売却するときにかかった費用を控除します。さらに、特別控除の条件を満たしていれば合わせて控除可能です。
収入金額には、買い主から売買代金とは別に支払われた、未経過固定資産税・都市計画税の精算金を含みます。また売却するときにかかった費用とは、不動産会社に支払う仲介手数料や境界線の測量費などです。
出典:No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
取得費が分からない場合の求め方
建物の取得費は分かっているものの、土地の取得費が分からない場合は、譲渡価額の5%が概算取得費となります。つまり、実際は土地の取得費が5%より高額だった場合でも、控除できないままなかったことにされるのです。
せっかく実家が好条件で売却できたとしても、譲渡所得税の負担が大きければ非常にもったいない結果となります。遺品整理の際は見落とした書類がないか、あらためて確認してみましょう。
出典:No.3202 譲渡所得の計算のしかた(分離課税)|国税庁
空き家となった実家を管理する方法

空き家となった実家を管理する方法としては、売却のほかに賃貸にするか、空き家バンクに登録するという選択肢もあります。賃貸すれば定期的に家賃収入が得られますが、そのためには実家の修繕費用や整備費が必要です。
もうひとつの選択肢である空き家バンクとは、空き家の売却希望主と買取希望主をマッチングさせるサービスで、空き家を管轄する地方自治体が提供しています。登録するには自治体の現地調査が必要です。
親がいるうちに準備しておくこと5つ

実家が空き家となった場合にどうするかは、親がいるうちにしっかり考えを聞いて話し合っておくことが大切です。ここからは、準備しておきたいことについて説明していきます。
- 実家を引き継ぐか決める
- 遺品の処分方法について話し合う
- 実家の処分方法について話し合う
- 親の考えを聞く
- 親の財産について聞いておく
1:実家を引き継ぐか決める
まずは、実家を引き継ぐのか、それとも処分するのかを決めましょう。現所有者である親の意向は尊重したいところですが、引き継いだときに負担するのは子どもや孫です。自分の意見や疑問点ははっきり伝えましょう。
将来的に親がどちらか1人になった場合、あるいはすでになっている場合は、実家を売却して子どもと同居したり、高齢者施設に入所したりという選択肢も考えられます。
2:遺品の処分方法について話し合う
長い年月を経た実家には、家具や衣類をはじめ趣味嗜好品など数多くの品々が残されており、対応に苦慮する相続人は非常に多いです。遺品の処分方法について事前に話し合っておくと、いざいというときに悩まず不用品を処分できます。
親にとって残しておきたいものや価値があるものについては、リストを作成するよう頼んでおきましょう。誰に残したいのかも指定しておいてもらえると、相続人同士で揉めるリスクも回避できます。
3:実家の処分方法について話し合う
実家を処分することに決めた場合は、処分方法についても具体的に話し合っておきましょう。実家の処分方法としては売却をはじめ、空き家バンクへの登録や、どうしても実家をなくしたくない場合に賃貸とする選択肢もあります。
どの方法を選ぶにしても、メリットとデメリットを把握し、親と子の双方が納得できるまで話し合うのがベストです。1度不動産会社に査定してもらい、実家の価値を知っておくと処分方法の判断材料にできます。
4:親の考えを聞く
今後の生き方についてどう思っているのか、親の考えはしっかりと聞いてあげましょう。例えば、一方は最後まで実家に住み続けたいと考えていて、もう一方は要介護状態になったら施設に入居しようと考えている、という可能性も考えられます。
この場合、実家を処分することが決まっていても処分するタイミングが変わってくるため、両方の考えを聞いておけば、万一のときある程度柔軟に対処することが可能です。
5:親の財産について聞いておく
親が元気なうちはなかなか切り出しにくいかもしれませんが、子どもが財産を把握しておくことはスムーズな相続を行ううえで重要です。もしも、実家以外に子どもが把握していない農地や山林といった別の不動産があった場合は、相続手続きに多大な労力がかかります。
併せて預貯金口座の所有数や保管場所、有価証券の有無についてもある程度把握しておくのがおすすめです。
空き家となった実家の処分方法を検討しよう

空き家となった実家の処分方法は、親が元気なうちに検討しておく方が、相続の際スムーズに手続きできます。メリットとデメリットを比較したうえで、親と子ども双方が納得できる決断をしましょう。
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