住宅を支える「基礎」。住宅は必ず基礎の上に建っています。
住宅の解体工事では、この基礎も解体しますが、基礎の種類により費用の追加が必要になる可能性があります。
基礎部分は解体工事が進まないと見えないため、工事前にわからないことが多く、工事が終盤になってから追加料金を請求されて困っている方もいらっしゃいます。
建物には必要不可欠。まさに建物の要であり、しっかりしていないと大変なことになってしまう箇所。そのぶん解体は大変になってきます。
そんな基礎についてわかりやすく解説していきます。基礎の解体工事を安くする方法などもご紹介するので、ぜひご覧ください。
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基礎とは?
「基礎」とは建物の下にある、建物を支えるための土台です。基礎は全ての家にあります。基礎が無いと、建物が傾いたり、倒壊したりしてしまうので、建物に欠かせません。
地盤と建物をつなぐ重要な部分です。建物の重さや、地震や風などの外から加えられる力を、バランス良く地盤に伝える役割を持っています。
基礎の種類
基礎には種類があります。一般的なサイズの木造建築の家に用いられるは直接基礎で、中でも「布基礎」と「ベタ基礎」が多く、まれに独立基礎があります。
今回の記事では布基礎、ベタ基礎、独立基礎、について解説していきます。杭基礎など大きく重い建物用いられる基礎についてはこの記事では触れません。
布基礎
独立基礎とベタ基礎の間をとったような存在で、フーチングと呼ばれる底版と壁や地中梁を一体化した基礎を指します。
柱の下、柱間を連続して繋ぐので、基礎は格子状に存在することになります。
防腐や防虫被害がネックと言われますが、床下に防湿コンクリートを敷く、1階の床を鉄筋コンクリート製にするなどの方法で防ぐことができます。
鉄筋コンクリートの使用量がベタ基礎よりも少なくないため、経済的です。
画像の出典はすべて「建築学生が学ぶ構造力学」
ベタ基礎
柱の位置は関係なく建物の底面すべてを一体化させたものがベタ基礎です。
鉄筋コンクリート製なので防腐や害虫被害に強く、底面全体で支えるため基礎が沈下しにくい特徴を持ちます。
一般的に鉄筋コンクリートの厚さは200mm以上。この鉄筋コンクリートのおかげで、木造の床でも腐食や害虫被害に強くなります。
風土や地盤の性質にあわせて布基礎、ベタ基礎を使い分けることがあるようですが、多くのハウスメーカーがベタ基礎を採用しています。 当然ですが、大量の鉄筋コンクリートを使用するためコストはもっとも高くなります。解体時にも廃材が大量に出るため、解体工事・処理費用ともにコストが高くなってしまいます。
独立基礎
柱の下にだけ独立している基礎を独立基礎と呼びます。あまり住宅には採用されませんが、事務所や倉庫、低層アパートなどのほとんどは独立基礎を採用しています。
「地中梁」と呼ばれる鉄筋コンクリート製の梁で基礎同士を繋ぐことで転倒を防いでいます。
独立基礎はフーチングとも呼ばれ、この部分が建物の重さを分散させて地盤に伝えています。
高額な基礎解体工事。本当に必要?
基礎は解体がはじまってから見えてくるので、基礎解体の正式な見積もりは解体工事の途中ではじめて目にすることが多いです。
基礎の種類によっては、思わず「こんなにかかるの?」と言いたくなるほど高価な場合もあります。
「こんなにかかるくらいなら、基礎はそのまま残して土地を売ろう」と思うでしょうが、その基礎は次の土地の利用者にとって必要ありません。
そのままにしておいても買い手が基礎解体工事を行う必要が出てくるので、結局は解体工事をしなかった分土地の価値が下がってしまいます。
基礎が残ったままだと、買い手にとっては無駄な解体作業が必要になります。それによって家の建築工事への着工が遅れます。このように買い手にとってマイナスな条件が増えるので、基礎が残ったままの土地は売れにくくなってしまいます。
土地が売れにくくなる原因はできる限り取り去るべきなので、基礎解体は行うべきです。
たしかに基礎解体にかかる工事費用は高額ですが、解体後に土地の価値を下げずに売りやすくするための事前投資のようなものだと割り切って考えましょう。
基礎解体工事の費用
基礎解体工事の相場についてです。日本の住宅で平均的なサイズである35坪(2階建て延べ床とする)の基礎解体工事にかかる費用について、一般的な家の基礎に多い布基礎とべタ基礎の平均をご紹介します。
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基礎解体工事の相場
基礎解体工事の相場についてです。日本の住宅で平均的なサイズである35坪(2階建て延べ床とする)の基礎解体工事にかかる費用について、一般的な家の基礎に多い布基礎とべタ基礎の平均をご紹介します。
布基礎:平均120万円
べタ基礎:平均150万円
しかし費用はコンクリートの配合や地域などによって変動します。
実例で見る基礎の解体費用
基礎の種類がわかっていない場合、まず布基礎で計算した見積書が提出されます。実際に解体工事が進み、ベタ基礎だとわかった時点で追加費用が発生します。
布基礎の見積もりは、「建造物解体撤去」といったような表現で、建物の解体撤去費にまとめて記載されている場合もあります。
この見積書は布基礎であることを前提で作られていて、ベタ基礎だった場合の追加料金が書かれています。
備考欄の「ベタ基礎だった場合」は、解体が進みベタ基礎だということが判明した場合、このくらいの金額がかかりますという意味です。
備考欄のベタ基礎の解体工事費用では1平方メートルあたり6,000円と布基礎の3倍もかかっています。
この解体工事はベタ基礎を110平方メートル解体して660,000円です。
見積書の記載方法は業者によって違うので、単位も平方メートルではなく一式と表記されることもあります。 一式とは「ひとまとめ」という意味で、詳細をすべて記載するとかえってわかりにくくなる項目などを「まとめてこの金額です」と概算したものになっています。
基礎の解体工事費用がかかる理由
基礎解体工事の費用はなぜ高額になるのでしょう。まず基礎の解体工事費用は、基礎の種類や構造によって変わってきます。
布基礎は構造がシンプルで使用している鉄筋コンクリートの量は比較的少ないです。
それに対して、ベタ基礎は全体が鉄筋コンクリートで作られていて、とても丈夫です。とても丈夫ということは解体する作業も大変です。
ブレーカーと呼ばれるアタッチメントを付けた重機でコンクリートを破砕します。鉄筋とコンクリートは処分場が別なので、ある程度まで重機で破砕したあとは、人の手で仕分けします。
ベタ基礎は産業廃棄物の量も増えます。現場に大型トラックが入れない場合には小型トラックで複数回にわけて運搬します。
このように、基礎の解体工事には人件費や運搬処分費用がかかるため高額になってしまうのです。
解体する建物の基礎の他に、さらに昔から埋まっていた基礎が出てくることもあります。その場合は、追加で撤去費用がかかります。
実例で見る基礎の解体費用
基礎の種類がわかっていない場合、まず布基礎で計算した見積書が提出されます。実際に解体工事が進み、ベタ基礎だとわかった時点で追加費用が発生します。
布基礎の見積もりは、「建造物解体撤去」といったような表現で、建物の解体撤去費にまとめて記載されている場合もあります。
この見積書は布基礎であることを前提で作られていて、ベタ基礎だった場合の追加料金が書かれています。
備考欄の「ベタ基礎だった場合」は、解体が進みベタ基礎だということが判明した場合、このくらいの金額がかかりますという意味です。
ベタ基礎の解体工事費用は1平方メートルあたり6,000円と布基礎の3倍もかかっています。
この解体工事はベタ基礎を110平方メートル解体して660,000円です。
見積書の記載方法は業者によって違うので、単位も平方メートルではなく一式と表記されることもあります。 一式とは「ひとまとめ」という意味で、詳細をすべて記載するとかえってわかりにくくなる項目などを「まとめてこの金額です」と概算したものになっています。
より正確な見積書を作ってもらうためにできること
解体工事が進んでから、「ベタ基礎だったので追加料金が必要です」と言われるのは、やっぱり嫌ですよね。
布基礎なのかベタ基礎なのか基礎の種類がわかっていれば、解体業者もより正確な見積書を作れますので、まずは基礎の種類を調べておきましょう。
- 見取図を入手する
建物の建築工事を施工した業者に連絡すれば見取図を用意してもらえます。
見取図に基礎の種類などの記載があれば、解体業者はより正確な見積書を出すことができます。
- 現地での調査を依頼する
実物を見て確認してもらえれば、より正確な見積書を出してもらえます。実際に現地へ赴いて調査してもらえるのかは業者ごとに対応が違いますので、確認してみましょう。
基礎の解体工事の費用を安くする方法
どうしても高額になってしまう基礎の解体工事。少しでも費用を抑えたいですよね。基礎の解体工事にかかる費用を安くする方法をご紹介します。
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相見積もりをする
解体工事にかかる費用を安くしたい時におすすめなのが複数社に見積もりを依頼する「相見積もり」です。複数社の見積もりから自分にあった条件を選ぶことができます。
相見積もりを依頼する際には、「複数社で見積もりを取っている」と相見積もりであることをあらかじめ業者に伝えておきましょう。
補助金や助成金を利用する
多くの自治体から建物の解体に対して補助金や助成金が出ています。補助金や助成金を利用することで解体工事の費用を安くすることが可能です。自治体によって補助される条件に違いがあるので、解体したい家が条件に該当するか確認して申請しましょう。
繁忙期を避ける
繁忙期を避けることも解体工事の費用を安くすることにつながります。解体の繁忙期は一般的に9月末~12月といわれています。この時期を避けて依頼すると解体工事が短期間で済むので、費用を抑えることにつながるのです。
ローンを組む
ローンを組んで解体工事作業を依頼することも可能です。
解体後に家を新築する場合は、解体費用を住宅ローンのなかに組み込める可能性もあります。
解体後に土地を売却する場合は、使用目的を問われない「フリーローン」、金融機関から融資される「プロパーローン」、保証人が不要で低金利の「空き家解体ローン」などが利用できます。
解体の窓口の無料見積もり
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