ビル解体費用についての詳細3選|3つの構造別から見る費用の目安とは

解体工事の基本知識

ビル解体費用を知っておくべき理由

耐用年数を過ぎてしまったなど、何らかの理由でビルを取り壊す必要がある場合、その解体費用がどのくらいかかるのか分からない方も多いでしょう。

ビル解体費用は、建物の構造や地域などによって大きく変わります。頑丈な建物や都心部のビルは、解体費用が高くなる傾向があります。

ビル解体費用の内訳や相場を知らずにいると、事前に考えていた以上に解体費用が高額になることもあります。そのため、ビル解体にどれくらい費用がかかるのか、どのようにすれば費用を抑えられるかなどを事前に知っておくことが大切です。

ビル解体費用の内訳とは

ビル解体費用の内訳には大きく分けて仮設工事費・解体工事費・整地費用・廃棄物の処分費・その他諸費用などがあります。

割合として大きいのは廃棄物の処分費と解体工事費で、それぞれ約3割から5割を占めることもあります。その他仮設工事費・整地費用・諸費用はそれぞれ1割程度です。

解体工事費の大半は人件費が占めています。作業日数によって人件費が大きく変わるので、解体が難しく工期が長引く場合は費用も高くなるでしょう。また、これら以外に、場合によってはアスベストの除去費用などがかかることもあります。

ビル解体費用についての詳細3選

ビル解体費用は、建物の構造・地域・解体以外にかかる費用によって大きく変わります。

例えば、壊しやすいビルは手間や時間がかからないため、解体費用を安く抑えられます。一方、都心部にある頑丈なビルの解体では、防音対策などが必要だったり、専用の機械を使用したりするため、高額になるでしょう。これから、ビル解体費用についての詳細を紹介します。

1:構造別に見る費用相場の目安

ビルの種類は、大きく分けて鉄筋造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造の3種類に分かれます。

それぞれの構造ごとに特徴があり、解体にかかる費用の目安も違います。

鉄骨造の場合

鉄骨造とは、梁や柱など建物の骨組みに鉄骨を用いた構造のことです。木造よりも頑丈で柱の数を減らすことができます。また、耐荷重も木造より大きくなるので、アパートやマンション、ビルのような比較的大きな建物で用いられることが多いです。

鉄骨造の建物の解体費用の相場は、1坪あたり2.9万円~4.0万円です。他の構造に比べてコンクリートなど廃材の出る量が少なく、解体工事の期間も短くなるため、費用も安価になります。

ただし、ビルの周囲の環境によっては相場よりも高い金額になることもあります。

鉄筋コンクリート造の場合

鉄筋コンクリート造とは、鉄筋で補強したコンクリートを埋め込んでいる構造のことを指します。コンクリートで覆うことでサビに弱い鉄筋の酸化を防ぎ、逆にコンクリートの力不足を鉄筋で補います。

木造と比較して遮音性や気密性、耐震性などが優れていて、マンションなど集合住宅に使われることが多いです。

鉄筋コンクリート造のビル解体費用の相場は、1坪あたり3.2万円~5.0万円です。鉄筋コンクリート造は強度が高い上に、外からは埋め込まれている鉄筋の数が分からず実際に解体した後に廃材の処分費用が決まるため、解体費用が高くなることが多いです。

鉄骨鉄筋コンクリート造の場合

鉄骨鉄筋コンクリート造とは、鉄骨の柱と鉄筋を組み合わせて、コンクリートを打ち込む構造です。鉄筋コンクリート造よりも耐震性や耐火性、強度に優れており、高層ビルや高層マンションなどに採用されることが多い構造です。

鉄骨鉄筋コンクリート造のビル解体費用の相場は、1坪あたり4.5万円~6.0万円です。しかし、鉄骨鉄筋コンクリート造のビルは強度がとても高く解体に時間がかかるため、ビルの大きさによって解体費用は大きく変わります。

2:地域別に見る費用の目安

ビル解体費用は、地域によって大きく違います。それは、地域によって工事の行いやすさが違うからです。

例えば、隣の建物との距離が近い場合は、防音対策や防塵対策として養生の設置が必要となります。また、解体するビルの周りの道路が狭い場合は、廃材を運ぶトラックが近くまで入ることができず、作業効率が落ちることがあります。

そのため、人口の多い都市部では、基本的にビル解体費用の相場は高くなります。逆に近隣の建物との距離が遠いところや道路が広いところなどは、ビル解体費用も比較的安くなるでしょう。

3:解体以外にかかる費用の目安

ビルの解体工事では、解体にかかる費用以外にも様々な費用が発生します。

例えば、古いビルではアスベストが使われている可能性があります。そのようなビルの解体工事では、アスベストの除去工事を行う必要があります。

このような、解体以外にかかる費用について紹介します。

廃棄物の処理費の場合

ビルの解体を行うと、鉄筋やコンクリートなど大量の廃棄物が発生します。これらは産業廃棄物になるので、専門の廃棄業者に有料で処分してもらう必要があります。

業者によっては、この廃棄物の処理費を解体費用に含んでいる場合もありますが、解体の費用とは別に見積もりされる場合もあります。廃棄物の処理費用は、都市部の方が地方よりも高額になることが多いです。

アスベスト除去工事の場合

古いビルだと、アスベストが使われている場合があります。

アスベストは肺がんなど重大な健康被害を与える恐れがあるため、解体工事を行う前にはアスベストの使用調査を行い、使用されていた場合には除去工事を行う必要があります。

そのため、解体するビルにアスベストが使用されていた場合には、別途アスベスト除去工事の費用が請求されます。

出典:解体等工事を始める前に|環境省

地中埋設物の除去費用の場合

ビルの解体工事では、地中埋設物を除去する費用がかかる場合があります。

ビルの跡地を更地にするには、土の中にもなにも残っていない状況にする必要があります。そのため、ビルの解体後、地中に埋設物が見つかった場合には追加で除去費用が発生します。

埋設物はビル解体前には分からないことが多く、また、何が埋まっているかによって除去費用が変わります。追加で費用が発生しても大丈夫なようにビル解体費用は余裕を持たせておきましょう。

ビル解体費用を抑えるコツ4つ

ビルの多くは、都市部の解体が難しい立地に立っていることが多いです。そのため、どうしても解体費用は高額になるでしょう。

それでも、解体費用を抑えるためのコツがいくつかありますので、それらのコツをご紹介します。

1:事前にビルの図面を見せる

ビルは外から見ただけでは中の構造が分かりづらいです。そのため、業者が高めに見積もりを出したり、逆に解体工事の途中で追加費用が発生したりすることがあります。

それを防ぐためにも、ビルの図面がある場合には、業者にビルの図面を事前に見せておきましょう。図面には鉄筋の本数など目には見えない部分の構造が書かれています。

図面を確認することで、見積もりがより正確なものになり、結果的に見積もり金額を下げることにつながるでしょう。

2:数社から見積もりをする

ビル解体工事の費用にだいたいの相場はありますが、定価はありません。そのため、同じ工事であっても業者によって解体費用は変わってきます。

解体工事の見積もりを複数の業者に依頼することで、高い業者にあたってしまうリスクを減らすことができます。また、複数の業者に依頼することで、価格競争が起こり値引きした金額を業者が提示してくれることもあるでしょう。

3:繁忙期を避けて依頼する

年末から年度末にかけては建設業の繁忙期になります。繁忙期に解体工事を依頼すると、既に多くの案件が入っている建設業者から依頼を断られたり、通常より高い費用を提示されたりすることがあります。

年度末までに解体する必要が無い場合は、できるだけ年度が明けてから工事を依頼しましょう。

4:優良業者を選ぶ

複数の業者に解体工事の見積もりを出してもらうことは重要ですが、金額だけで業者を選ぶのはやめましょう。

見積もり金額を低くして、工事が始まったら「追加で工事が発生した」と追加の費用を請求する業者もいます。その結果、最終的に他社よりも解体費用が高くなった、ということもあります。

見積もりを見る際は金額だけでなく工事内容もしっかりと確認し、信頼できる優良業者を選ぶことが大切です。その中から、見積金額の低いところを選ぶと良いでしょう。

ビル解体費用と併せて知りたい工事に必要な書類

ビル解体工事を行う前と工事の後には、必要な申請が3つあります。特に、工事前に行う申請は、許可が下りるまで一定の日数がかかるので余裕を持った申請が必要です。

まずは、解体工事前に建設リサイクル法の申請が必要です。これは、ビルの解体工事で発生する資材の分別やリサイクルの実施に関する申請になります。

ビルの解体工事が終わったら、建物滅失登記の申請を行います。これは、建物が無くなったことを地域の法務局へ申請します。

出典:建物の解体工事に必要な主な手続き|国土交通省

出典:建物を取り壊した/建物を新築した|法務局

ビル解体費用を把握しておこう

ビルの解体工事には多額の費用が発生します。また、解体費用以外にも、アスベストや地中埋設物の除去費用がかかる場合もあるので、解体費用には余裕を持たせておく必要があります。

後から高額な費用が請求されることが無いよう、ビルの解体工事を行う際にはしっかりとした信頼できる業者に依頼をしましょう、そして事前に現地調査を行い、見積もりをしてもらう必要があります。

解体費用を知ることは、解体工事費用を抑えることにもつながります。そのためにも、ビルの解体費用にはどのようなものがあるか把握をしておきましょう。

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